ベクトルを用いた三角関数の合成公式の導出

ベクトルを用いた三角関数の合成公式の導出

sin(正接)での合成

asin θ+bcosθ= a 2 + b 2 sin( θ+α )

cos(余弦)での合成

asinθ+bcosθ= a 2 + b 2 cos( θβ )  

■証明

図のように a b を定める.ただし, a =a b =b とする.

各ベクトルを成分表示すると

a =( acosθ,asinθ ) ・・・・・・(1)

b =( bsinθ,bcosθ ) ・・・・・・(2)

である.

a b a + b 終点をそれぞれ A 点, B 点, C 点とする.

a b のなす角は 90 であるので, OAC は直角三角形である.よって, | a + b |  は

三平方の定理より 

| a + b |= a 2 + b 2  

となる. a + b x 軸のなす角は θ+α である.よって a + b を成分表示すると 

a + b = a 2 + b 2 cos ( θ + α ) , a 2 + b 2 sin ( θ + α )  ・・・・・・(3)

となる.また, a + b y 軸のなす角は θβ である.よって θβ を使って 

a + b を成分表示すると

a + b = a 2 + b 2 sin ( θ β ) , a 2 + b 2 cos ( θ β ) ・・・・・・(4)

となる.

一方,(1),(2)より

a + b = ( a cos θ , a sin θ ) + ( b sin θ , b cos θ ) = a cos θ b sin θ , a sin θ + b cos θ ・・・・・・(5)

となる.(3),(4),(5)の成分は等しい.よって

asinθ+bcosθ= a 2 + b 2 sin( θ+α )

asinθ+bcosθ= a 2 + b 2 cos( θβ )

ただし, tanα= b a tanβ= a b

が得られる.

■インターラクティブなグラフ

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最終更新日: 2022年12月3日