単振動 : 運動方程式 (equation of motion)
原点 O を中心として,
x
軸に沿って角振動数
ω
で単振動する質量
m
の質点の位置
x
と加速度
a
の関係は
a=−ω2x
である (*) ので,単振動する質点の運動方程式は
ma
=
−mω2x
=
−cx
,
c=mω2
- - - (1)
と表せる.よって,
x
軸上を単振動する質点には,比例定数
c
(>0)
で位置
x
に比例した,
x
とは逆向きの外力が作用している.原点 O を中心に各位置における外力
F=−cx
を赤い矢印で図示すると下図のようになる.
質点には常に原点 O に向かう外力が働き,その大きさは原点 O からの距離に比例する(参考:中心力,復元力).このように質点がある点からの距離に比例した復元力を受けて運動する系を 調和振動 (harmonic oscillation) ともいい,調和振動している質点を調和振動子 (harmonic oscillator) という.
加速度
a=
d2
x/
d
t2
の表記を用いると,単振動の運動方程式は
m
d2x
dt2
=−cx
- - - (2)
と表される.上式は定数係数の2階同次線形微分方程式であり,両辺を
m
で割り,
ω2
=
c/m
を用いて整理すると,
d2x
dt2
+
ω2
x
=0
- - - (3)
が得られる.これが単振動の従う微分方程式の標準形である.この微分方程式を解くと,その一般解が
x=
A1
cosωt
+
A2
sinωt
(
A1
,
A2
: 任意定数)
- - - (4)
あるいは
x=
Acos
(
ωt+α
)
(
A , α
: 任意定数)
- - - (5)
のように単振動として求まる.
点
x=xC
を振動の中心とすると,質点の位置
x
と加速度
a
の関係は
a=−ω2
(x−xC)
である (*)ので,単振動する質点の運動方程式は
ma
=
−mω2
(x−xC)
=
−c
(x−xC)
,
c=mω2
- - - (6)
となる.この場合,変位を
X=x−
xC
とおくと,変位
X
の加速度は
d2X
dt2
=
d2
(
x−xC
)
dt2
=
d2x
dt2
=a
- - - (7)
であるので,運動方程式は式(2)と同じ形式
m
d2X
dt2
=−cX
- - - (8)
で書ける.上式の一般解は
X=
Acos
(
ωt+α
)
(
A , α
: 任意定数)
- - - (9)
なので,
X=x−
xC
から
x=
Acos
(
ωt+α
)
+xC
- - - (10)
と求まる.
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