運動エネルギー と位置エネルギー (重力による位置エネルギー,弾性力による位置エネルギーなど)との和を力学的エネルギー (mechanical energy)という.物体に作用する力が保存力のみの場合,または保存力以外の力が仕事をしない場合,力学的エネルギーは一定に保たれる.これを力学的エネルギー保存の法則 (law of conservation of mechanical energy)といい,
と表される.位置エネルギー は一般に物体の位置 の関数であり,主に重力による位置エネルギーか弾性力による位置エネルギー,もしくはその両方を含む.
例えば,ばね定数 のばねにつながった質量 の物体が速さ で運動している状況を考える.このとき,運動エネルギーは であり,重力による位置エネルギーの基準点から測った物体の位置の高さを ,ばねの自然長からの変位を とすると,位置エネルギーは となるので
が成り立つ.ここで, は重力加速度の大きさである.
図のように,質量 の物体が自由落下(Free fall)するとき,高さAの位置と高さBの位置での力学的エネルギー , はそれぞれ
であるので,力学的エネルギー保存の法則より なので,
が成り立つ.
上式について仕事と運動エネルギーの関係を用いて考えると,高さ の位置から高さ の位置まで,重力が物体にする仕事は
で,この分だけ運動エネルギーが増加するので
が成り立つ.よって
が得られる.
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最終更新日2025年9月24日