2次曲線:有心の場合の標準化の例

例1) 5x2−6xy+5y2 +2x−14y−3 =0 はどのような2次曲線を表すか調べよ.

【解答】

2次曲線の標準化に従って,与式

5x2−6xy+5y2 +2x−14y−3=0     ······ 

の係数より

a=5, b=−3,  c=5, d=1,  e=−7, f=−3     ······ 

であり,これらを成分とする2つの対称行列

A= ( 5−3 −35 )     ······ 

A˜= ( 5−31 −35−7 1−7−3 )     ······ 

を考える.判別式

Δ=|A| =5⋅5− (−3)2 =16 ≠0     ······ 

および,

Δ˜ =|A˜| = { 5⋅5− (−3)2 }(−3) −{ 5⋅(−7)− (−3)⋅1 }(−7) −{ 5⋅1−(−3) (−7) }⋅1

Δ˜ =−48−224+16 =−256     ······ 

より,この2次曲線は有心で退化せず, Δ˜ Δ = −256 16 =−16 である.また,行列 A の固有方程式

|A−λE| = | 5−λ−3 −35−λ | = (5−λ) (5−λ) −(−3)2 =λ2−10λ+16 = (λ−2) (λ−8) =0

より, A の固有値は λ1=2 , λ2=8 である.したがって,2次曲線の標準化の【定理 1】より,与式の2次曲線は適当な座標変換 (x,y)↦(X,Y) で

2X2+8Y2 −16=0    ⇔    X28+Y22 =1     ······ 

と変換できる.これは,軌道長半径 22 , 軌道短半径 2 の楕円を表す.

与式の中心の座標 (x0,y0) は逆行列 A−1 =116 ( 53 35 ) を用いて

( x0y0 ) =−A−1 ( 1−7 ) =−116 ( 53 35 ) ( 1−7 ) = ( 12 )     ······ 

と求まり,行列 A の固有値 λ1=2 , λ2=8 に対応する(大きさ 1 の)固有ベクトル p1 , p2 は

( 5−2−3 −35−2 ) p1 = ( 3−3 −33 ) p1 =0    ⇒    p1 =±12 ( 11 )     ······ 

( 5−8−3 −35−8 ) p2 = ( −3−3 −3−3 ) p2 =0    ⇒    p2 =±12 ( −11 )     ······ 

と求まる.よって, A の対角化を与える(回転変換に対応させた)直交行列を

P= ( p1 p2 ) = 12 ( 1−1 11 ) = ( cos45°−sin45° sin45°cos45° )     ······ 

と書けるので, (X,Y)↦(x,y) の変換は

( x y ) = P ( X Y ) + ( x0 y0 ) = ( cos45°−sin45° sin45°cos45° ) ( X Y ) + ( 12 )     ······ 

と表せる.以上のことから,与式の2次曲線は,式の楕円を,原点を中心に 45° 回転させた後,楕円の中心を (1,2) まで平行移動させたものである.

楕円の回転と平行移動
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最終更新日:2025年10月31日