原点を中心に反時計回りに
回転させる1次変換の表現行列(回転行列)は
・・・・・・(1)
である.
原点を中心に時計回りに
回転させる1次変換の表現行列(回転行列)は
・・・・・・(2)
である.
●(1),(2)より各選択肢が当てはまるかどうかを調べる.
- (2)より,原点を中心に時計回りに
回転させる1次変換の表現行列である.よって,当てはまらない.
- (1)より,原点を中心に反時計回りに
回転させる1次変換の表現行列である.よって,当てはまらない.
- (1)より,原点を中心に反時計回りに
回転させる1次変換の表現行列である.よって,当てはまらない.
- (1),(2)だだけではどのような変換の表現行列かは判定できない.
以上より,原点
を通り,
軸となす角が
〔°〕の直線に関して,対称な点に移す1次変換の表現行列は4であると推察できる.
●原点
を通り,
軸となす角が
〔°〕の直線に関して,対称な点に移す1次変換の表現行列を求める.
点
の座標を
,
点
の座標を
とする.
点
と点
が
軸となす角が
〔°〕の直線に関して対称であることより
- 点
と点
の中点が
軸となす角が
〔°〕の直線
(
)にある.よって
・・・・・・(3)
-
線分
と直線
が直交する.よって
・・・・・・(4)
ここで,
は線分
の傾き,
は直線
の傾きである.
となる.
(3),(4)の連立方程式から,
,
を
,
で表すようにする.
(3)より
・・・・・・(5)
(4)より
・・・・・・(6)
(5)-(6)より(以下の計算では,2倍角の公式,三角関数の相互関係を用いて式を整理している)
・・・・・・(7)
(5)に(7)を代入する.
・・・・・・(8)
(7),(8)より
よって,表現行列は
となる.したがって,答は4となる.
原点
を通り,
軸となす角が
〔°〕の直線に関して,対称な点に移す1次変換を3つの1次変換の合成と考える.図を参照のこと.
- 点
を時計回りに
〔°〕回転させて,点
に移す.
- 点
を
に関して対称な点
に移す.
-
を反時計回りに
〔°〕回転させて,点
に移す.
点
の座標を
,
点
の座標を
とする.
点
を時計回りに
〔°〕回転させて,点
に移すことより
・・・・・・(9)
が得られる.
∵(2)
点
を
に関して対称な点
に移すことより
・・・・・・(10)
∵この問題
が得られる.
を反時計回りに
〔°〕回転させて,点
に移すことより
・・・・・・(11)
∵(1)
が得られる.
(11)に(10)を代入する.
・・・・・・(12)
(12)に(9)を代入する.
以下のように行列の計算をする.
よって,表現行列は
となる.したがって,答は4となる.