円運動 (circular motion)

回転運動の間,回転半径が常に一定であれば,その運動を 円運動 (circular motion) という.この場合,回転中心は変化しない.

図のように,点 O を回転中心として,一定の半径 R の円運動している質点の位置 r は, x 軸から測った角度 θ を用いて

r = ( x , y ) = ( Rcosθ , Rsinθ )     ---- (1)

と表せる.ここで, θ は時刻 t の関数である( θ= θ(t) ).円運動している質点の速度 v

v = ( vx , vy ) = dr dt = ( dx dt , dy dt )
   = ( Rsinθ dθ dt , Rcosθ dθ dt )
   = ( Rωsinθ , Rωcosθ )     ---- (2)

となる.ここで, ω = dθ dt 角速度を表す.内積 rv =0 より,位置 r と速度 v は直交する.また,質点の速さ v

v=|v| = vx2 + vy2 = R2 ω2 ( sin2θ + cos2θ ) =R|ω|     ---- (3)

となる.特に,円運動の速さが常に一定である運動を等速円運動という.式(3)から速さが一定ということは角速度が一定ということである.

円運動している質点の加速度 a

a = ( ax , ay ) = dv dt = ( dvx dt , dvy dt )
   = ( R dω dt sinθ Rωcosθ dθ dt , R dω dt cosθ Rωsinθ dθ dt )
   = ( Rαsinθ Rω2cosθ , Rαcosθ Rω2sinθ )
   = αω ( Rωsinθ , Rωcosθ ) ω2 ( Rcosθ , Rsinθ )
   = αωv ω2r     ---- (4)

となる.ここで, α = dω dt 角加速度を表す.式(4)の第1項目は速度 v と平行なので円軌道の接線方向を向いており,第2項目は位置 r と逆向きなので円の中心方向(法線方向)を向いている.したがって,

at = αωv ,    an = ω2r

をそれぞれ接線加速度向心加速度(または法線加速度)という.内積 at an =0 より,これらは直交している.また,これらの大きさは

at = αωv = αωRω =R|α| ,    an = ω2r =Rω2

であり,加速度 a の大きさは

a= at2 + an2 =R α2 + ω4

となる.角加速度がゼロ ( α=0 ) のとき,角速度は一定となるので等速円運動であり,このとき接線加速度はゼロ ( at =0 ) となる.


ホーム>>カテゴリー分類>>力学>>運動>>回転運動>>円運動