cos関数の合成(複素数を用いた導出) (composition of cosine functions (derivation using complex numbers))
2つのcos関数
,
の合成式を,複素数を用いて表すと
---- (1)
となる(
オイラーの公式).
---- (2)
上式において
,
,
---- (3)
とおくと
---- (4)
となる.ここで,
---- (5)
---- (6)
である.したがって,
を得る.(導出完了)
(※)式(1)の複素数を用いた表現において
---- (7)
として同様に進めると,
---- (8)
,
,
---- (9)
が得られる.
■ 複素平面での幾何学的な意味
図に示すように,複素数の和
は,複素平面上での2つのベクトルの和に対応する.右側の図中の角
は,
---- (10)
であり,余弦定理により
---- (11)
である.また,角
は次式を満たす.
---- (12)
図から分かるように,
であり,
なので
---- (13)
となる.したがって,
(
加法定理)
(
2倍角の公式)
---- (14)
が得られる.
また,式(2)の表現
---- (15)
(
,
)において,右辺の
内は,長径を
,短径を
とした複素平面上の楕円軌道を表している.その楕円軌道上の,角
のときの位置ベクトルは
平面上で
と表され,その大きさが
であり,
軸とのなす角
が
を満たす(ただし,
のとき
とする).したがって,
と表される.さらに,式(15)の右辺の指数関数
は,複素平面上のベクトルを原点の周りに角
だけ回転させることに対応するので,
を
回転させると
となる.したがって,
という対応がある.
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最終更新日:2024年9月30日