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原点 O を中心として,半径 の円周上を角速度 (速さ )で等速円運動する質量 の質点の位置 と加速度 の関係は である (*) ので,この質点の運動方程式は
, - - - (1)
である.よって, 等速円運動する質点には,比例定数 で位置 に比例した, とは逆向きの外力 が作用している.この力は,一定の大きさ
をもち,常に円の中心を向いているので 向心力である(参照:中心力).
ベクトル , は一般に3次元空間のベクトルである.しかしながら,質点の原点 O のまわりの力のモーメントが
であるため,回転運動の法則は
を満たし,原点 O のまわりの角運動量 が保存する.よって,回転軸の方向(角運動量 の方向)は時間に依らず常に一定の方向を向いており,円運動の回転面は固定されている.この回転面を 平面にとれば,ベクトル , の 成分は常にゼロなので,2次元の平面ベクトルと考えることができる.
加速度 の表記を用いると,等速円運動の運動方程式は
- - - (2)
と表される.成分ごとに書くと
, - - - (3)
であり,各々独立した定数係数の2階同次線形微分方程式である. 成分について,両辺を で割り, を用いて整理すると,
- - - (4)
が得られる.この微分方程式を解くと,その一般解が
( : 任意定数) - - - (5)
のように求まる.同様に, 成分について一般解が
( : 任意定数) - - - (6)
のように求まる.これらの任意定数は,半径 の等速円運動であることを考えると,初期位相を として,
, , - - - (7)
となり,
, - - - (8)
が得られる.このことから,運動方程式(2)には等速円運動ではない解も存在することがわかる(等速円運動は式(2)を満たす解の特別な場合である).