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f(D) , g(D) は微分演算子とする.
関数 y に対して f(D) で表される手続きをほどこして得られる関数を u とすると
u=f(D)y ・・・・・・(1)
と表わせる.
さらに,関数に対して g(D) で表される手続きをほどこして得られる関数を v とすると
v=g(D)u ・・・・・・(2)
と表わされる.
(2)の u に(1)の f(D)y を置き換えると
v=g(D){f(D)y} ・・・・・・(3)
となる.(3)を形式的に
v={g(D)f(D)}y ・・・・・・(4)
と書きかえる.(4)は関数y にg(D)f(D)で表される手続きをほどこすと関数vが得られることを表し,g(D)f(D)は微分演算子といえる.(3),(4)より
g(D){f(D)y}={g(D)f(D)}y ・・・・・・(5)
を微分演算子の積と定義する.
(4)を
v=g(D)f(D)y
のように表してもよい.
f(D)=D2+3D ・・・・・・(6)
g(D)=2D+1 ・・・・・・(7)
とする.
(1)に(6)を代入し微分演算子の定義にしたがって以下のように書きかえる.
u=f(D)y=(D2+3D)y=D2y+3Dy=y″+3y′ ・・・・・・(8)
(2)に(6)を代入し,さらに,(8)を代入して,微分演算子の定義にしたがって以下のように書きかえる.
v=g(D)u=(2D+1)u=2Du+1⋅u
=2D(y″+3y′)+1⋅(y″+3y′)
=2Dy″+2D(3y′)+y″+3y′
=2y‴+6y″+y″+3y′
=2y‴+7y″+3y′
=2D3y+7D2y+3Dy
=(2D3+7D2+3D)y ・・・・・・(9)
(4)に(6),(7)を代入する.
v={(D2+3D)(2D+1)}y ・・・・・・(10)
(9),(10)より
{(D2+3D)(2D+1)}y=(2D3+7D2+3D)y ・・・・・・(11)
となる.すなわち,微分演算子は,以下のように多項式と同様に積の計算が成り立っている.
(D2+3D)(2D+1)=D2(2D+1)+3D(2D+1)
=2D3+D2+6D2+3D
=2D3+7D2+3D
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最終更新日: 2023年6月27日