関連するページを見るにはこのグラフ図を利用してください.

固有空間

正方行列 A 固有値 λ に対応する固有ベクトル x の全体に 0 (ゼロベクトル)を付け加えた集合全体を固有値 λ に対する固有空間という.

■具体例

1 3 2 2 の固有値,固有ベクトル,固有空間を求める.

●固有値 λ を求める

固有方程式

1λ 3 2 2λ =0

となる.これを解く.

1λ 2λ 3·2=0

23λ+ λ 2 6=0

λ 2 3λ4=0

λ+1 λ4 =0

λ=1,4

固有値 λ 1 4 である.

●固有ベクトル x を求める.

固有値,固有ベクトルの定義で用いた式

Ax=λx  ・・・・・・(1)

を式変形し

AλE x=0  ・・・・・・(2)

とする. A= 1 3 2 2 x= x 1 x 2 であるので,(2)は

1λ 3 2 2λ x 1 x 2 = 0 0

1λ x 1 +3 x 2 =0 2 x 1 + 2λ x 2 =0  ・・・・・・(3)

となる.(3)に固有値 λ を代入し,固有ベクトルを求める.

λ=1 に対応する固有ベクトル x と固有空間 W を求める

(3)に λ=1 を代入し,掃き出し法で x 1 x 2 を求める.定数項は省略している.

1 1 3 2 2 1 2 3 2 3 2 3 0 0 1 3 2 0 0

よって,

x 1 + 3 2 x 2 =0

x 2 =2c c は0でない任意定数)とおくと

x 1 = 3 2 x 2 = 3 2 ·2c=3c

よって,固有ベクトル x

x= x 1 x 2 = 3c 2c =c 3 2  ( c0 としているのは, x0 のためである.)

となる.

固有空間 W

W= x x= c 3 2 , c R

となる.

λ=4 に対応する固有ベクトル x と固有空間 W を求める

(3)に λ=4 を代入し,掃き出し法で x 1 x 2 を求める.定数項は省略している.

14 3 2 24 3 3 2 2 1 1 1 1 1 1 0 0

よって,

x 1 x 2 =0

x 2 =c c は0でない任意定数)とおくと

x 1 = x 2 =c

よって,固有ベクトル x

x= x 1 x 2 = c c =c 1 1  ( c0 としているのは, x0 のためである.)

となる.

固有空間 W

W= x x= c 1 1 , c R

となる.

 

ホーム>>カテゴリー分類>>行列>>線形代数>>固有空間

最終更新日:2022年7月21日

[ページトップ]

金沢工業大学

利用規約

google translate (English version)