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正方行列A の固有値 λ に対応する固有ベクトル x の全体に0 (ゼロベクトル)を付け加えた集合全体を固有値λに対する固有空間という.
(1322)の固有値,固有ベクトル,固有空間を求める.
|1−λ322−λ|=0
となる.これを解く.
(1−λ)(2−λ)−3·2=0
2−3λ+λ2−6=0
λ2−3λ−4=0
(λ+1)(λ−4)=0
λ=−1,4
固有値λ は−1 ,4である.
固有値,固有ベクトルの定義で用いた式
Ax=λx ・・・・・・(1)
を式変形し
(A−λE)x=0 ・・・・・・(2)
とする.A=(1322),x=(x1x2) であるので,(2)は
(1−λ322−λ)(x1x2)=(00)
{(1−λ)x1+3x2=02x1+(2−λ)x2=0 ・・・・・・(3)
となる.(3)に固有値λ を代入し,固有ベクトルを求める.
(3)にλ=−1を代入し,掃き出し法でx1 ,x2を求める.定数項は省略している.
((1−(−1))322−(−1))→(2323)→(2300)→(13200)
よって,
x1+32x2=0
x2=2c (c は0でない任意定数)とおくと
x1=−32x2=−32·2c=−3c
よって,固有ベクトルx は
x=(x1x2)=(−3c2c)=c(−32) (c≠0 としているのは,x≠0 のためである.)
となる.
固有空間 W は
W={x|x=c′(−32),c′∈R}
となる.
(3)にλ=4を代入し,掃き出し法でx1 ,x2を求める.定数項は省略している.
((1−4)32(2−4)) (−332−2) →(−111−1) →(1100)
よって,
x1−x2=0
x2=c (c は0でない任意定数)とおくと
x1=x2=c
よって,固有ベクトルx は
x=(x1x2)=(cc)=c(11) (c≠0 としているのは,x≠0 のためである.)
となる.
固有空間W は
W={x|x=c′(11),c′∈R}
となる.
最終更新日:2022年7月21日