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固有空間

正方行列A固有値 λ に対応する固有ベクトル x の全体に0 (ゼロベクトル)を付け加えた集合全体を固有値λに対する固有空間という.

■具体例

(1322)の固有値,固有ベクトル,固有空間を求める.

●固有値λ を求める

固有方程式

|1λ322λ|=0

となる.これを解く.

(1λ)(2λ)3·2=0

23λ+λ26=0

λ23λ4=0

(λ+1)(λ4)=0

λ=1,4

固有値λ14である.

●固有ベクトルx を求める.

固有値,固有ベクトルの定義で用いた式

Ax=λx ・・・・・・(1)

を式変形し

(AλE)x=0 ・・・・・・(2)

とする.A=(1322)x=(x1x2) であるので,(2)は

(1λ322λ)(x1x2)=(00)

{(1λ)x1+3x2=02x1+(2λ)x2=0 ・・・・・・(3)

となる.(3)に固有値λ を代入し,固有ベクトルを求める.

λ=1 に対応する固有ベクトルxと固有空間Wを求める

(3)にλ=1を代入し,掃き出し法でx1x2を求める.定数項は省略している.

((1(1))322(1))(2323)(2300)(13200)

よって,

x1+32x2=0

x2=2cc は0でない任意定数)とおくと

x1=32x2=32·2c=3c

よって,固有ベクトルx

x=(x1x2)=(3c2c)=c(32) (c0 としているのは,x0 のためである.)

となる.

固有空間 W

W={x|x=c(32),cR}

となる.

λ=4 に対応する固有ベクトルxと固有空間Wを求める

(3)にλ=4を代入し,掃き出し法でx1x2を求める.定数項は省略している.

((14)32(24)) (3322) (1111) (1100)

よって,

x1x2=0

x2=cc は0でない任意定数)とおくと

x1=x2=c

よって,固有ベクトルx

x=(x1x2)=(cc)=c(11) (c0 としているのは,x0 のためである.)

となる.

固有空間W

W={x|x=c(11),cR}

となる.

 

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最終更新日:2022年7月21日

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