平面における直線の方程式

■法線ベクトルを用いた場合

P x 0 , y 0 を通り,法線ベクトル n = a,b 直線の方程式

a x x 0 +b y y 0 =0  ・・・・・・(1)

と表される.また,直線の方程式は一般に

ax+by+c=0  (一般形) ・・・・・・(2)

と表される.このちき,直線の法線ベクトルは n = a,b となる.

導出

■方向ベクトルを用いた場合

P ( x 0 , y 0 ) を通り,方向ベクトル d =( l,m ) 直線の方程式

x x 0 l = y y 0 m  ・・・・・・(3)

と表わされる.また,媒介変数(パラメーター) t を用いて表すと

x= x 0 +tl y= y 0 +tm  ・・・・・・(4)

と表される.このような直線の方程式の表現方法を媒介変数表示という.

導出

●点 P x 0 , y 0 を通り,直線の傾きがa である直線の方程式

y y 0 =a x x 0  ・・・・・・(5)

導出1次関数を参照.

●直線の傾きがa で,y切片がbである直線の方程式

y=ax+b  ・・・・・・(6)

導出

●2点, P x 0 , y 0 Q x 1 , y 2 を通りる直線の方程式

y y 0 = y 1 y 0 x 1 x 0 x x 0  ・・・・・・(7)

導出

x 切片がay切片がbである直線の方程式

x a + y b =1  ・・・・・・(8)

導出

 

(1), (2)の導出

座標平面における直線は,座標平面中の点と直線に垂直な法線ベクトルが決まれば,一意的に決まる.直線上の点Pの座標を ( x 0 , y 0 ) ,法線ベクトルを n =( a,b ) とし,直線上の任意の点Qの座標を ( x,y ) とすると,ベクトル PQ = x x 0 ,y y 0 は直線上にある. n は直線の法線ベクトルなので, n PQ のなす角は90°である.よって内積がゼロとなるので

n · PQ =0    

となる.この関係から

( a,b )·( x x 0 ,y y 0 )=0

a( x x 0 )+b( y y 0 ) =0  ・・・・・・(1)

となり,平面の方程式が求まる.

(1)の左辺を展開し整理する.

axa x 0 +byb y 0 =0

ax+bya x 0 b y 0 =0  ・・・・・・(9)

ここで

c=a x 0 b y 0

とおき,(9)に代入すると,一般形

ax+by+c=0  ・・・・・・(2)

が得られる.

(3), (4)の導出

直線は,座標平面中の点と方向ベクトルが決まれば,一意的に決まる.空間中の点P座標 ( x 0 , y 0 ) 方向ベクトル d =( l,m )  とし,直線上の点Q の座標を ( x,y )  とすると

PQ =t d   ( t媒介変数

となるので

OQ = OP + PQ = OP +t d  

表すことができる.これをベクトルの成分表示で表すと

( x,y )=( x 0 , y 0 )+t( l,m )

あるいは

{ x= x 0 +tl y= y 0 +tm  ・・・・・・(4)

となり,媒介変数を用いた直線の方程式が求まる.次に媒介変数 t の消去を図る.

x = x 0 +tl t= x x 0 l y = y 0 +tm t= y y 0 m

となり, t を消去すると

x x 0 l = y y 0 m  ・・・・・・(3)

となる.このように直線の方程式が求まる.

(3)を以下のように式変形をする.

x x 0 l y y 0 m =0

1 l x x 0 1 m y y 0 =0

ここで

1 l =a 1 m =b

とおくと,(1)が得られる.

(5)の導出

(3)より(5)を導出する.

方向ベクトル d = ( l , m ) より,直線の傾き a

a= m l  ・・・・・・(10)

である.(3)を式変形すると

y y 0 = m l x x 0  ・・・・・・(11)

となる.(10)と(11)より(5)が導かれる.

(6)の導出

y切片がbより,点 0,b を通ることになる.(5)にこの条件を適用すると

yb=a x0

y=ax+b  ・・・・・・(6)

となり,(6)が導かれる.

(7)の導出

2点, P x 0 , y 0 Q x 1 , y 2 をとおることより,直線の傾きa

a= y 1 y 0 x 1 x 0  ・・・・・・(12)

となる.(12)を(5)に代入すると,(7)が得られる.

(8)の導出

x 切片がay切片がbより,2点, a,0 0,b を通る.この条件を(7)に適用すると

y0= 0b a0 xa

y= b a xa

b a x+y=b

x a + y b =1  ・・・・・・(8)

のように(8)が導かれる.

 

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最終更新日:2023年10月24日