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絶対値の性質5の証明

${\displaystyle \left|\frac{a}{b}\right|=\frac{\left|a\right|}{\left|b\right|}}$　ただし，$b\ne 0$　･･････(1)

■証明

●${\displaystyle a>0}$ ， $b>0$ のとき

左辺は，${\displaystyle \frac{a}{b}>0}$ より

${\displaystyle \left|\frac{a}{b}\right|=\frac{a}{b}}$ 　（絶対値の性質1を参照） 　･･････(2)

となる．

右辺は，$\left|a\right|=a$， $\left|b\right|=b$ より（絶対値の性質1を参照）

${\displaystyle \frac{\left|a\right|}{\left|b\right|}=\frac{a}{b}}$ 　 　･･････(3)

となる．

(2)，(3)より(1)が成り立つ．

●$a<0$ ， $b>0$ のとき

$-a=\alpha >0$とおく．

左辺は，${\displaystyle \frac{a}{b}<0}$ より

${\displaystyle \left|\frac{a}{b}\right|=-\frac{a}{b}=\frac{-a}{b}=\frac{\alpha }{b}}$ 　（絶対値の性質1を参照） 　･･････(4)

となる．

右辺は，${\displaystyle \left|a\right|=-a=\alpha }$ ， $\left|b\right|=b$ より（絶対値の性質1を参照）

${\displaystyle \frac{\left|a\right|}{\left|b\right|}=\frac{-a}{b}=\frac{\alpha }{b}}$ 　 　･･････(5)

となる．

(4)，(5)より(1)が成り立つ．

●$a>0$ ， $b<0$ のとき

${\displaystyle -b=\beta >0}$ とおく．

左辺は，${\displaystyle \frac{a}{b}<0}$ より

${\displaystyle \left|\frac{a}{b}\right|=-\frac{a}{b}=\frac{a}{-b}=\frac{a}{\beta }}$ 　（絶対値の性質1を参照） 　･･････(6)

となる．

右辺は，${\displaystyle \left|a\right|=a}$ ， ${\displaystyle \left|b\right|=-b=\beta }$ より（絶対値の性質1を参照）

${\displaystyle \frac{\left|a\right|}{\left|b\right|}=\frac{a}{-b}=\frac{a}{\beta }}$ 　 　･･････(7)

となる．

(6)，(7)より(1)が成り立つ．

●$a<0$ ， $b<0$ のとき

${\displaystyle -a=\alpha >0}$ ，${\displaystyle -b=\beta >0}$ とおく．

左辺は，${\displaystyle \frac{a}{b}>0}$ より

${\displaystyle \left|\frac{a}{b}\right|=\frac{a}{b}}$ 　（絶対値の性質1を参照） 　･･････(8)

となる．

右辺は，${\displaystyle \left|a\right|=-a=\alpha }$ ， ${\displaystyle \left|b\right|=-b=\beta }$ より（絶対値の性質1を参照）

${\displaystyle \frac{\left|a\right|}{\left|b\right|}=\frac{-a}{-b}=\frac{a}{b}}$ 　･･････(9)

となる．

(8)，(9)より(1)が成り立つ．

●$a=0$ のとき

左辺は，${\displaystyle \frac{a}{b}=0}$ より

${\displaystyle \left|\frac{a}{b}\right|=0}$ 　･･････(10)

となる．

右辺は，${\displaystyle \left|a\right|=0}$ より

${\displaystyle \frac{\left|a\right|}{\left|b\right|}=\frac{0}{\left|b\right|}=0}$ 　･･････(11)

となる．

(10)，(11)より(1)が成り立つ．

以上より

実数$a$， $b$ について

${\displaystyle \left|\frac{a}{b}\right|=\frac{\left|a\right|}{\left|b\right|}}$　ただし，$b\ne 0$

が成り立つ．

 

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最終更新日： 2024年7月24日

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