Processing math: 100%
関連するページを見るにはこのグラフ図を利用してください.

三角不等式

実数xyに対して不等式が成り立つ

|x||y||x+y||x|+|y| ・・・・・・(1)

が成り立つ.

■証明

(1)の不等式を2つに分ける.

|x+y||x|+|y|

|x||y||x+y|

|x+y||x|+|y|の証明

|x|x|x| ・・・・・・(2)

|y|y|y| ・・・・・・(3)

(1)+(3)より

|x||y|x+y|x|+|y|

(|x|+|y|)x+y|x|+|y|

|x+y||x|+|y|

|x||y||x+y|の証明

|x|x|x| ・・・・・・(4)

|y|y|y| ・・・・・・(5)

(4)+(5)より

|x||y|xy|x|+|y|

(|x|+|y|)xy|x|+|y|

|xy||x|+|y| ・・・・・・(6)

ここで,

xy=z ・・・・・・(7)

とおくと

x=z+y ・・・・・・(8)

(7),(8)を(6)に代入すると

|z||z+y|+|y| ・・・・・・(8)

となる.

zx に書き換えると

|x||x+y|+|y|

|x|-|y||x+y|

が得られる.

■1次元ベクトルを使って,解説する.

|x|=aとすると,xaあるいは -aである.また,|y|=bとすると,ybあるいは -bである.ただし,ab とする.これらを,以下の2つの1次元ベクトルで表現することにする.

a -a b b

x+yの計算の組み合わせは,以下の4通りになる.

  • x=ay=b の場合

  • x=-ay=b の場合

  • x=ay=-b の場合

  • x=-ay=-b の場合

x+yの取りうる値を,小さい順に並べると,ababa+ba+bとなる.

|ab|=|(a+b)|=|a+b|=a+b

より,|x+y| の最大値は,a+bとなり

|x+y|a+b=|x|+|y|  ・・・・・・(9)

が成り立つ.(9)は,xyの対称性を考えると,abの場合も成り立つ.

|a+b|=|(ab)|=|ab|

より,|x+y| の最小値は,|ab| となり

|ab||x+y|

が成り立つ.

abより

ab<0

である.よって

|x||y|=ab<|ab||x+y| ・・・・・・(10)

abの場合は,|ab|=abより

|x||y|=ab=|ab||x+y| ・・・・・・(11)

となる.

(10),(11)より,任意のxyに対して

|x||y||x+y|

が成り立つ.

 

ホーム>>カテゴリー別分類>>数と式>>式と証明:三角不等式

 

最終更新日: 2023年12月18日

[ページトップ]

金沢工業大学

利用規約

google translate (English version)