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実数x,yに対して不等式が成り立つ
|x|−|y|≦|x+y|≦|x|+|y| ・・・・・・(1)
が成り立つ.
(1)の不等式を2つに分ける.
|x+y|≦|x|+|y|
|x|−|y|≦|x+y|
−|x|≦x≦|x| ・・・・・・(2)
−|y|≦y≦|y| ・・・・・・(3)
(1)+(3)より
−|x|−|y|≦x+y≦|x|+|y|
−(|x|+|y|)≦x+y≦|x|+|y|
|x+y|≦|x|+|y|
−|x|≦x≦|x| ・・・・・・(4)
−|y|≦−y≦|y| ・・・・・・(5)
(4)+(5)より
−|x|−|y|≦x−y≦|x|+|y|
−(|x|+|y|)≦x−y≦|x|+|y|
|x−y|≦|x|+|y| ・・・・・・(6)
ここで,
x−y=z ・・・・・・(7)
とおくと
x=z+y ・・・・・・(8)
(7),(8)を(6)に代入すると
|z|≦|z+y|+|y| ・・・・・・(8)
となる.
zをx に書き換えると
|x|≦|x+y|+|y|
|x|-|y|≦|x+y|
が得られる.
|x|=aとすると,x はaあるいは -aである.また,|y|=bとすると,y はbあるいは -bである.ただし,a≦b とする.これらを,以下の2つの1次元ベクトルで表現することにする.
a
:,
-a
:
,
b
:
,
b
:
x+yの計算の組み合わせは,以下の4通りになる.
x+yの取りうる値を,小さい順に並べると,−a−b,a−b ,−a+b,a+bとなる.
|−a−b|=|−(a+b)|=|a+b|=a+b
より,|x+y| の最大値は,a+bとなり
|x+y|≦a+b=|x|+|y| ・・・・・・(9)
が成り立つ.(9)は,x,yの対称性を考えると,a≥bの場合も成り立つ.
|−a+b|=|−(a−b)|=|a−b|
より,|x+y| の最小値は,|a−b| となり
|a−b|≦|x+y|
が成り立つ.
a≤bより
a−b<0
である.よって
|x|−|y|=a−b<|a−b|≦|x+y| ・・・・・・(10)
a≥bの場合は,|a−b|=a−bより
|x|−|y|=a−b=|a−b|≦|x+y| ・・・・・・(11)
となる.
(10),(11)より,任意のx,yに対して
|x|−|y|≦|x+y|
が成り立つ.
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最終更新日: 2023年12月18日