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応用分野: 積分因子積分因子の証明積分因子の証明必要十分条件の証明
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完全微分方程式

ある関数  u(x,y) の全微分  du=uxdx+uydy  の値が0である

P(x,y)dx+Q(x,y)dy=0 ・・・・・・(1)   

(ux=ux=P(x,y)uy=uy=Q(x,y) )

完全微分方程式という.

■完全微分方程式であるための必要十分条件

P(x,y)dx+Q(x,y)dy=0  が完全微分方程式であるための必要十分条件は

P(x,y)y=Q(x,y)x ・・・・・・(2)

である.証明

■完全微分方程式の解

●一般解

完全微分方程式 P(x,y)dx+Q(x,y)dy=0一般解

u(x,y)=c (c :任意定数) ・・・・・・(3)

である.ただし,du=P(x,y)dx+Q(x,y)dy  である.

一般解 u(x,y)=cP(x,y)Q(x,y) を用いて表すことにする.

xu(x,y)=P(x,y) より

u(x,y)=P(x,y)dx+G(y)  (G(y)y の関数)・・・・・・(4)

となる.

Q(x,y)=yu(x,y)より,(4)を用いて書き換えると

Q(x,y)=y{P(x,y)dx+G(y)}

Q(x,y)=yP(x,y)dx+ddyG(y)  ・・・・・・(5)

(5)をddyG(y) について解くと

ddyG(y)=Q(x,y)yP(x,y)dx

G(y)={Q(x,y)yP(x,y)dx}dy  ・・・・・・(6)

(6)を(1)に代入する.

u(x,y)=P(x,y)dx+{Q(x,y)yP(x,y)dx}dy

よって,一般解は

P(x,y)dx+{Q(x,y)yP(x,y)dx}dy=c  ・・・・・・(7)

となる.(7)は不定積分を使って表現しているが、今度は定積分を使って一般解を表すと

xaP(x,y)dx+yb{Q(x,y)yxaP(x,y)dx}dy=c (abは定数 )

xaP(x,y)dx+ybQ(x,y)dyyb{xayP(x,y)dx}dy=c  ・・・・・・(8)

(8)に完全微分方程式であるための必要十分条件の(2)を代入すると

xaP(x,y)dx+ybQ(x,y)dyyb{xaxQ(x,y)dx}dy=c

xaP(x,y)dx+ybQ(x,y)dyyb[Q(x,y)]xady=c

xaP(x,y)dx+ybQ(x,y)dyyb{Q(x,y)Q(a,y)}dy=c

xaP(x,y)dx+ybQ(x,y)dyybQ(x,y)dy+ybQ(a,y)dy=c

xaP(x,y)dx+ybQ(a,y)dy=c ・・・・・・(9)

●特殊解

初期条件「x=x0y=y0 」を満たす特殊解は,一般解を求めてから初期条件を代入して定数 cを定めることで求められる.完全微分方程式の場合は,一般解の式(9)を活用すること求めることもできる.

一般解の式(9)に,a=x0b=y0 を代入した式

xx0P(x,y)dx+yy0Q(x0,y)dy=c ・・・・・・(10)

に,初期条件を代入すると

x0x0P(x0,y)dx+y0y0Q(x0,y)dy=c

0+0=c

∵積分範囲が0

c=0

となり任意定数c が定まる.したがって,特殊解は

xx0P(x,y)dx+yy0Q(x0,y)dy=0 ・・・・・・(11)

となる.

 

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学生スタッフ作成
 最終更新日: 2024年10月7日

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