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次正方行列において,個の相異なる固有値が存在するとき, は対角化可能である.
次正方行列 の 個の相異なる固有値を,,,,・・・,とし,各固有値に対応するの固有ベクトルを, , , ,・・・, とする.固有値・固有ベクトルの定義より
( は に対応する固有値,)・・・・・・(1)
の関係がある.
数学的帰納法により証明する.
のとき,すなわち,1個の固有ベクトルのみのとき,
・・・・・・(2)
とおく.
は固有ベクトルであることより,である.よって,(1)が成り立つためには,
となり,
1個の固有ベクトルは1次独立ある. ・・・・・・(3)
のとき,すなわち, の固有ベクトル, , , ,・・・, のとき,
これらの固有ベクトルの組が1次独立であると仮定する. ・・・・・・(4)
のとき,すなわち, の固有ベクトル, , , ,・・・,, のとき
・・・・・・(5)
とおく.(5)の両辺に左から をかけると
となり,(1)より
・・・・・・(6)
が得られる.次に,(5)の両辺に をかけると
・・・・・・(7)
(7)−(6)より
・・・・・・(8)
が得られる. 個の固有ベクトル, , , ,・・・, の組が1次独立であるので,(8)が成り立つためには
でなければならない. 個の固有値は相異なるので, ( )である.よって
・・・・・・(9)
となる.(9)を(5)に代入すると
・・・・・・(10)
となる. より
・・・・・・(11)
となる.(9),(11)より,(5)が成り立つためには,(5)の左辺の ( )の係数がすべてゼロになる.すなわち
(4)の仮定においては, の固有ベクトル, , , ,・・・,,の組は1次独立となる.
以上より, が 個の相異なる固有値が存在するとき, の固有ベクトル, , , ,・・・, の組は1次独立である.ただし,である.
すなわち,次正方行列において,個の相異なる固有値が存在するとき,1次独立な 個の固有ベクトルが存在する.
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最終更新日:2022年7月19日