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n 次正方行列A は,適当な直交行列 P により三角化できる.すなわち,
P−1AP=(λ1*λ2⋱0λn) ・・・・・・(1)
と変形できる.
帰納法で証明する.
n=1 のときは(1)は明らかに成り立つ.
n=k のとき(1)が成り立つと仮定する.
(T′)−1A′kT′=(λ′1*λ′2⋱0λ′k) ・・・・・・(2)
(T′ は直交行列,A′k はk 次の正方行列)
すなわち,(2)が成り立つ.
(λ′1*λ′2⋱0λ′k)の固有値は,対角要素になり, λ′1 ,λ′2 ,…,λ′k になる.
A′k と(λ′1*λ′2⋱0λ′k) は相似であるので,固有値は一致する.
k+1 次の正方行列Ak+1 の一つの固有値をλk+1 とし,λk+1 に対応する大きさが1の固有ベクトルを ak+1 とする.次にak+1 を第k+1列の成分とする直行行列をQ とする.
Q=(a1a2⋯ak+1)
と表すことにする.
AQ=A(a1a2⋯ak+1)
=(Aa1Aa2⋯Aak+1)
よって
AQ=Q(0Ak0⋮*⋯*λk+1) ・・・・・・(3)
(3)の両辺に左からQ−1 を掛ける.
Q−1AQ=(0Ak0⋮*⋯*λk+1) ・・・・・・(4)
(Ak はk 次の正方行列)
という関係が成り立つ.
帰納法における仮定(2)より
T−1AkT′=(λ1*λ2⋱0λk) ・・・・・・(5)
(T は直交行列,Ak はk 次の正方行列)
が成り立つ.
ここで,
R=(0T⋮00⋯01)
を導入し,
S=RQ
と置く.
StS=(RQ)t(RQ)=QtRtRQ=QtEQ=QtQ=E
(∵R ,Qは直交行列であるので, RtR=E ,QtQ=E となる.)
S−1AS=StAS
(∵S が直交行列であるので, S−1=St )
=(R−1Q−1)Ak+1(QR)
(∵Q,R が直交行列であるので, Q−1=Qt,R−1=Rt,よって, St=(QR)t=RtQt=R−1Q−1 )
=R−1(Q−1Ak+1Q)R
(4)より
=R−1(0Ak0⋮*⋯*λk+1)R
(参考:(T−1001)(T001)=(T−1T001)=(E001) ,よって,(T001)−1=(T−1001))
=(λ10⋱0λ2⋮0⋯0λk+1)
すなわち
S−1Ak+1S=(λ10⋱0λ2⋮0⋯0λk+1)
となり,n=k+1 でも成り立つ.
以上より,(1)は,n がすべての自然数で成り立つ.
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最終更新日:2022年9月3日