逆行列の性質
ここでは,逆行列の性質について示す.
逆行列の逆行列
A
が正則行列なら,
A−1
も正則行列で
(A−1)−1=A
行列の積の逆行列
A
,
B
が正則行列なら,
AB
も正則行列で
(AB)−1=B−1A−1
■証明
・ (A−1)−1=Aの証明
Aの逆行列がA−1であることより
A−1A=AA−1=E
が成り立つ.
正則行列の定義より,
A−1
は正則行列で,A−1
の逆行列はAである.
式で表すと
(A−1)−1=A
である.
・(AB)−1=B−1A−1の証明
A,Bが正則行列であるので逆行列が存在し,Aの逆行列をA−1,Bの逆行列をB−1とする.
行列の計算より
(AB)(B−1A−1)=A(BB−1)A−1=AEA−1=AA−1=E
(B−1A−1)(AB)=B(AA−1)B−1=BEB−1=BB−1=E
よって
(AB)(B−1A−1)=(B−1A−1)(AB)=E
が成り立つ.
したがって,正則行列の定義よりABは正則行列で
ABの逆行列(AB)−1はB−1A−1となる.
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最終更新日:
2022年6月23日