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2次の行列式の幾何学的な意味

2次の行列式の場合

行列式|A|=|a11a12a21a22| の1列目と2列目を,それぞれ列ベクトルとして

a1=(a11a21)a2=(a12a22)

とおくと,|A|絶対値平面ベクトル a1 , a2 を2辺とする平行四辺形の面積の値に等しい.

■導出

(a11a21)=a1(a12a22)=a2

とおく.

|a11a12a21a22|=a11a22a12a21=a11a22+a21(a12)

と変形し,

(a22a12)=a2

とおくと,

|a11a12a21a22|=a1·a2

となる.行列式はa1a2の内積で表わされる.

a2a2の関係を行列を使って表わす.

a22=0·a12+1·a22

a12=1·a12+0·a22

より

(a22a12)=(0·a12+1·a221·a12+0·a22)

=(0110)(a12a22)

=(cos(90)sin(90)sin(90)cos(90))(a12a22)

となる.

行列(cos(90)sin(90)sin(90)cos(90))は原点を中心に90反時計回り,(90時計回り)に回転させる回転行列である.

すなわちa2a2の始点を回転の中心として時計回りに90回転させたベクトルになる.

a1a2a2を座標平面に描くと図のようになる.

a1を原点を中心を反時計回りに回転させa2重ねた時の回転角をθ とすると,a1a2のなす角は|θ|(ただし,180°θ180°) となる.a1a2のなす角は,90°θ180° の時,|θ90°|180°θ<90°の時,|θ+270°| となる.

90°θ180°a1a2のなす角が|θ90°|の場合

|a11a12a21a22|=a1·a2

=|a1||a2|cos(|θ90°|)

=|a1||a2|cos(θ90°)

=|a1||a2|sinθ

|a2|=|a2|cos(90θ)=cos(θ90)=sinθ  ⇒ここを参照)

=|a1|(|a2|sinθ) ・・・・・・(1)

180°θ<90°a1a2のなす角が|θ+270°| の場合

|a11a12a21a22|=a1·a2

=|a1||a2|cos(|θ+270°|)

=|a1||a2|cos(θ+270°)

=|a1||a2|cos(θ+360°90°)

=|a1||a2|cos(θ90°)

=|a1||a2|sinθ

=|a1|(|a2|sinθ) ・・・・・・(2)

(1),(2)より,いずれの場合も

a1a2=|a1|(|a2|sinθ)

となる.

|a1|(|a2|sinθ) の絶対値は a1a2 を2辺とする平行四辺形の面積の値に等しい.

すなわち|acbd| の絶対値はa1a2を2辺とする平行四辺形の面積の値に等しい.

|acbd|の符号は

0°θ180°|a11a12a21a22|0180°θ<0°|a11a12a21a22|<0

となる.

 

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最終更新日: 2023年6月12日

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