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ベクトル空間 X の要素x1 ,x2 ,⋯ ,xn の1次結合が 0 となる関係式
c1x1+c2x2+c3x3+⋯+cnxn=0 ・・・・・・(1)
が成り立つのは,
c1=c2=c3=⋯=cn=0
のみであるとき,x1
,x2
,⋯
,xn
は1次独立という.1次独立以外のとき,
x1
,x2
,⋯
,xn
は1次従属という.
(1)のx1
,x2
,⋯
,xn
が1次従属であれば,(1)が成り立つためには
c1
,c2
,c3
,⋯
,
cn
の少なくとも1つは0
でない.
3次元ベクトル空間X の要素
x1=(110) ,x2=(011) ,x3=(111)
は1次独立である.その理由を以下に示す.
c1x1+c2x2+c3x3=0 ・・・・・・(2)
が成り立つとする.
(c1+c3c1+c2+c3c2+c3)=(000)
{c1+c3=0⋯⋯(3)c1+c2+c3=0⋯⋯(4)c2+c3=0⋯⋯(5)
(3)より
c1=−c3 ・・・・・・(6)
(5)より
c2=−c3 ・・・・・・(7)
(6),(7)を(4)に代入すると
−c3−c3+c3=0
−c3=0
c3=0・・・・・・(8)
(8)と(6),(5)より
c1=0 ,c2=0
よって(2)が成り立つためには
c1=c2=c3=0
したがって,x1 ,x2 ,x3 は1次独立である.
3次元ベクトル空間X の要素
x1=(110) ,x2=(011) ,x3=(121)
は1次従属である.その理由を以下に示す.
c1x1+c2x2+c3x3=0・・・・・・(9)
が成り立つとする.
{c1+c3=0⋯⋯(10)c1+c2+2c3=0⋯⋯(11)c2+c3=0⋯⋯(12)
(10)より
c1=−c3・・・・・・(13)
(12)より
c2=−c3・・・・・・(14)
(13),(14)を(11)に代入すると
−c3−c3+2c3=0・・・・・・(15)
0=0
となり,(15)はc3 が任意の値で成り立つ.c3=c (c は任意定数)とおくと,
c1=−c ,c2=−c
となる.例えば,c=−2 とすると,
c1=2 ,c2=2,c3=−2
となり,(9)は
2x1+2x2−2x3=0
となる.したがって,c1=c2=c3=0
でなくても(9)が成り立つので,
x1
,x2
,x3
は1次従属である.
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最終更新日: 2025年1月17日