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応用分野: 2次形式2次曲線の標準化の定理1の証明2次曲線の標準化の定理2の証明

2次形式の標準化 (normalization of quadratic form)

n 個の変数 x1 , x2 , , xn と実定数 aij ( =aji ) から成る2次形式

q ( x1, x2, , xn ) = i,j=1n aij xi xj = xt Ax     ······ (1)

を考える. A=aij は係数 aij を成分とする対称行列で, x=xi は変数 xi を成分とする列ベクトルである.

今,式(1)は異なる2つの変数の積 xixj ( ij ) の項を含むものとする( A はゼロでない非対角成分をもつ).

実対称行列の性質より, A 固有値 λ1 , λ2 , , λn はすべて実数であり,対応する固有ベクトル p1 , p2 , , pn (大きさ 1 に正規化されている)を各列に並べた直交行列 P= p1 p2 pn を用いて, A は以下のように対角化できる.

D= Pt AP = λ1 00 0 λ2 0 00 λn     ······ (2)

したがって, x 直交変換

X= Pt x = X1 X2 Xn t     ······ (3)

と式(2)を用いて,式(1)の2次形式を変数 X1 , X2 , , Xn で書き直すと

xt Ax = Xt Pt A PX = Xt Pt AP X = Xt D X = i=1n λi Xi2     ······ (4)

となる.式(4)の最右辺の形を 2次形式の標準形 という.

直交変換は内積を変えない変換である.幾何学的には,直交変換はベクトルの大きさや2つのベクトルのなす角を変えない変換となっており,回転移動や各軸・原点に対する対称移動に相当する.つまり,2次形式を標準形に直すことで,その式の本質的な性質(幾何学的な図形の形)を変えずに見通しの良い形になり,その式の特徴が分かり易くなるため,2次式の分類などに用いられる.


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最終更新日:2025年10月7日

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