1次独立であるための必要十分条件
個の
次列ベクトル
,,,・・・,
が1次独立であるための必要十分条件は,各列ベクトルを列の成分とする
次行列式の値
が
である.
■証明
証明では,行列式の次数が分かるように行列の記号の右下および成分の記号の右上に次数を記入することにする.ベクトルに関しても次数が分かるようにベクトルの記号および、ベクトルの記号の右上に次数を記入する.
,,,・・・,の
次元ベクトルの組を考え,各列ベクトルを行列の列の成分とする行列を
で,その行列式を
で表すとする.
●「⇒,,,・・・,が1次独立」の証明
・・・・・・(1)
とおく,(1)をベクトルの成分を用いて式を書き換えると
さらに,行列を用いた形式に書き直すと
となる.
であれば,行列
の逆行列
が存在(ここを参照)し
となり,(1)の左辺の1次結合の係数
,
,…,
がすべてゼロになる.
すなわち
⇒,,,・・・,が1次独立
である.
●「,,,・・・,が1次独立⇒」の証明
,,,・・・,が1次独立であるので,の成分の少なくとも1つはゼロでない.ゼロでない成分がであるとする.
行列
に対して,2列+1列
,3列+1列
,・・・,
列+1列
の操作をすると,行列式
の
行目の成分は,以下のように1列目以外はすべて0になる.
行列式
の2列目以降の各列の成分から成るベクトルを
,,
,・・・,
とおくと,
,
,
,…,
と
,
,…,
の間には
,,・・・,
・・・・・・(2)
のような関係がある.
・・・・・・(3)
とおき,(3)に(2)を代入し,式を整理すると
・・・・・・(4)
となる.
,,,・・・,が1次独立であるので,
となり,
,
,…,は1次独立となっている.
を
行で余因子展開をすると
・・・・・・(5)
となる.
,
,・・・,
とおき,新たに
次行列式
を定義すると,(5)は
・・・・・・(6)
と書き換えることができる.
,
,…,
は1次独立であることより,
,
,…,
も1次独立となる.
同様な操作を
に対して行うと
・・・・・・(7)
が得られる.さらに,同様な操作を更に
回繰り返えすと
・・・・・・(8)
の関係が得られる.
,
,・・・,,,はゼロでないので
すなわち
となり
,,,・・・,が1次独立⇒
となる.
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最終更新日:2022年9月6日