頂点
A
の角の二等分線
ℓ
と辺
BC
との交点を
P
,頂点B
の角の二等分線
m
と辺
AC
との交点を
Q
とする.
内心
I
の位置ベクトルは
→i
は,
⟶AI=t⟶AP
(t:定数)より,
→i−→a=tb⟶AB+c⟶ACb+c
(∵
角の二等分線の性質と内分のベクトル表示)
→i=→a+tb(→b−→a)+c(→c−→a)b+c
整理すると,
→i=(1−t)→a+btb+c→b+ctb+c→c
・・・・・・(1)
また,
⟶BI=s⟶BQ
(t:定数)より,
→i−→a=sa⟶BA+c⟶BCa+c
(∵ 角の二等分線の性質と内分のベクトル表示)
→i=→a+sa(→a−→b)+c(→b−→b)a+c
整理すると,
→i=asa+c→a+(1−s)→b+csa+c→c
・・・・・・(2)
となる.式(1)と式(2)は同じ
→i
であるので,
→a
,→b
,→c
の係数はお互いに等しいことより,
1−t=asa+c
・・・・・・(3)
btb+c=1−s
・・・・・・(4)
ctb+c=csa+c
・・・・・・(5)
となる連立方程式が得られる(変数が2つであるので,3式の内1つは不要である.2式から残り1式が導かれる).
(3),(4)より,
t=b+ca+b+c
・・・・・・(6)
,
s=a+ca+b+c
・・・・・・(7)
が得られる.(6)を(1)に代入すると,
→i=(1−b+ca+b+c)→a+
bb+c⋅b+ca+b+c→b
+cb+c⋅b+ca+b+c→c
=a→a+b→b+c→ca+b+c
となり,内心の位置ベクトルが得られる.
【導出終了】(クリックで閉じる)