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応用分野: 関数の極値

2変数関数の極値の証明 (1)

fx(a,b)=fy(a,b)=0とする.A=fxx(a,b),B=fxy(a,b),C=fyy(a,b),D=B2AC とおくと

A>0,D<0ならばf(a,b)は極小値

A<0,D<0ならばf(a,b)は極大値

D>0ならば f(a,b)は極値でない

■証明

fx(a,b)=fy(a,b)=0  とする.・・・・・・(1)

テイラーの定理

f(a+h,b+k)=f(a,b)+11!(hx+ky)f(a,b)+12!(hx+ky)2f(a,b)2++1n!(hx+ky)nf(a,b)n+Rn+1

Rn+1=1(n+1)!(hx+ky)n+1f(a+θh,b+θk)   (ただし, 0<θ<1

n=1 の場合に適用すると

f(a+h,b+k)f(a,b)=f(a,b)+11!(hx+ky)f(a,b)+R2f(a,b)

=hxf(a,b)+kyf(a,b)+R2

=hfx+kfy+R2

(1)の条件より

f(a+h,b+k)f(a,b)

=R2

=12!(hx+ky)2f(a+θh,b+θk)

=12(h22x2+2hk2xy+k22y2)f(a+θh,b+θk)

=12{h22x2f(a+θh,b+θk)+2hk2xyf(a+θh,b+θk)+k22y2f(a+θh,b+θk)}

=12{h2fxx(a+θh,b+θk)+2hkfxy(a+θh,b+θk)+k2fyy(a+θh,b+θk)}  (ただし, 0<θ<1

ここで fxx(a+θh,b+θk)=Afxy(a+θh,b+θk)=Bfyy(a+θh,b+θk)=C とおくと

f(a+h,b+k)f(a,b)=12{Ah2+2Bhk+Ck2}

となり,

f(a+h,b+k)f(a,b)  の符号は,A,B,C の値が同時に0でないとき, Ah2+2Bhk+Ck2 の符号によって決まる.

Ah2+2Bhk+Ck2  を平方完成すると,

Ah2+2Bhk+Ck2=A(h+BAk)2(B2ACA)k2 ・・・・・・(2)

(2)より

B2AC=D とおくと

A>0,D<0のとき

f(a+h,b+k)f(a,b)>0となる.

A<0,D<0 のとき

f(a+h,b+k)f(a,b)<0となる.

また|h|,|k| の値が十分小さいとき,

A=fxx(a+θh,b+θk)A=fxx(a,b)

B=fxy(a+θh,b+θk)B=fxy(a,b)

C=fyy(a+θh,b+θk)C=fyy(a,b)

と書き換えることができる.

以上より

A=fxx(a,b),B=fxy(a,b),C=fyy(a,b),D=B2ACとおくと

A>0,D<0  ならばf(a,b) は極小値, A<0,D<0 ならばf(a,b) は極大値となる.

D>0 のときについて考える.

これは,Ah2+2Bhk+Ck2h の2次式として考え,判別式D を利用すると,

D=(2Bk)24ACk2=4k2(B2AC)

となる.つまりD が正のときD' は正となり,この2次式は解を持つことになるので,

Ah2+2Bhk+Ck2

は正にも負にもなる.

よってD>0  のときは,f(a+h,b+k)f(a,b) の値が正にも負にもなるので,f(a,b) は極値でない.

またD=0  のときは,f(a,b) が極値のときも,そうでないときもあり得るので,D=0 のときはわからない.

 

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最終更新日: 2023年1月21日

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