退化円錐 (degenerate conic)
円錐曲線について,円錐の頂点を通らない切断面の場合,その切り口には楕円・放物線・双曲線が現れるが,切断面が円錐の頂点を通る場合,その切り口に現れる図形は点や直線となる.このとき,「円錐曲線は退化する」といい,この特別な場合の図形を 退化円錐 (degenerate conic) という.
円錐の母線と円錐の軸とのなす角を
,円錐の頂点を通る切断面と円錐の軸とのなす角を
とすると,以下の関係により退化円錐は
-
点
(切断面が円錐の頂点のみと交わる)
-
1つの直線
(切断面が円錐の母線と平行)
-
交差する2つの直線
(双曲線の漸近線)
となる.
円錐曲線は2次曲線を表すので,退化円錐を退化2次曲線ともいう.2次曲線として考えた場合,ある退化条件においては,上記の他に平行な2つの直線も現れる.
2次曲線を表す式
,
において,判別式
のとき,2次曲線は退化する(2次曲線の標準化),また,判別式
と
が同時に成り立つとき,平行な2直線となる.
【退化する2次曲線(平行な2直線と点)の例1】
:双曲線
:平行な2直線
:楕円
:点
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【退化する2次曲線(交差する2直線)の例2】
:双曲線(縦向き)
:交差する2直線
:双曲線(横向き)
:平行な2直線
:楕円
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最終更新日:2025年10月14日