累乗根

$n$ を正の整数とするとき，数 $x$ を $n$ 乗すると $a$ になる数 $x$ のことを $a$ の $n$ 乗根といい，式で書くと

$x^{n} = a$ （ $n$ ：正の整数）

の関係がある．

$y = x^{n}$ の関係を用いて $n$ 乗根を考える．

■ $n$ が奇数の場合

$y = a$ のとき， $y = x^{n}$ を満たす $x$ はただ1つ定まる．その値 $x_{1}$ が $a$ の $n$ 乗根で

$\sqrt[n]{a}$

と表す．

図からわかるように

$a > 0$ ならば， $\sqrt[n]{a} > 0$

$a < 0$ ならば， $\sqrt[n]{a} < 0$

となる．

$y = a$ $(a > 0)$ のとき， $y = x^{n}$ を満たす $x$ は2つ定まる．

正の方の $x_{1}$ を $\sqrt[n]{a}$

負の方の $x_{2}$ を $- \sqrt[n]{a}$

と表す．

必ず $\sqrt[n]{a} > 0$ となることに注意する．例としては， $\sqrt{{(- 5)}^{2}} = - 5$ ではなく $\sqrt{{(- 5)}^{2}} = 5$ である．

また

$a = 0$ のとき， $\sqrt[n]{0} = 0$

とし

$a < 0$ のとき， $a = x^{n}$ を満たす $x$ は存在しない

とする．

2乗根を平方根，3乗根を立方根ともいう．2乗根は $\sqrt[2]{a}$ とは書かず2を省略して $\sqrt{a}$ と書く．

$a$ の $n$ 乗根 $\sqrt[n]{a}$ を $n$ 乗すると $a$ となる．すなわち

${(\sqrt[n]{a})}^{n} = a$

累乗根の計算は，以下に示す計算法則が成り立つ

$a > 0$ ， $b > 0$ ， $m$ ， $n$ ， $p$ はは正の整数とするとき

● $\sqrt[n]{a} \sqrt[n]{b} = \sqrt[n]{a b}$ （証明）

● $\frac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}} = \sqrt[n]{\frac{a}{b}}$ （証明）

● ${(\sqrt[n]{a})}^{m^{}} = \sqrt[n]{a^{m}}$ （証明）

● $\sqrt[m]{\sqrt[n]{a}} = \sqrt[m n]{a}$ （証明）

● $\sqrt[n]{a^{m}} = \sqrt[n p]{a^{m p}}$ （証明）

最終更新日： 2025年5月1日