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応用分野: 収束半径

級数の収束性(2)

an>0 である正項級数anにおいて 

limnan+1an=r  ・・・・・・(1)

が存在するとき

  • 0<r<1 ならばn=1an収束する
  • r>1 ならばn=1an発散する

■証明

limnan+1an=r が存在する場合,あるN を越えると,すなわちn>N では

rε<an+1an<r+ε  ・・・・・・(2) (ε は正の任意定数)

が成り立つ.

N を用いると

n=1an=Nn=1an+n=N+1an ・・・・・・(3)

と書きかえられる.

Nはある自然数であるので

Nn=1an=K ・・・・・・(4)

となる定数Kが存在する.

aN+1=aNaN+1aN

(rε<aN+1<r+ε)

aN+2=aN+1aN+2aN+1=aNaN+1aNaN+2aN+1

(aN(rε)2<aN+2<aN(r+ε)2)

                

an=aNaN+1aNaN+2aN+1anan1

(aN(rε)nN<an<aN(r+ε)n+N)

よって

n=N+1aN(rε)nN<n=N+1an<n=N+1aN(r+ε)nN

nN=m とおくと,n=N+1 のときm=1n のときm

よって

m=1aN(rε)m<n=N+1an<n=N+1aN(r+ε)m

lim ・・・・・・(5)

となる.

 

0<r<1 のとき, ε は任意なので, 0<rε<r<r+ε<1 となる ε をとることができる.

よって(5)より

a N rε 1( rε ) < n=N+1 a n < a N r+ε 1( r+ε )

となり

n=N+1 a n =L  ・・・・・・(6)

となる定数 L が存在する.

したがって(3)(4)(6)より n=1 a n は収束する.

 

1<r のとき, ε は任意なので 1<rε<r となる ε をとることができる

rε>1 のとき m ならば, ( rε ) m となるので

lim m a N ( rε ) 1 ( rε ) m 1( rε ) =

となり

n=N+1 a n =  ・・・・・・(7)

となる.

したがって(3)(5)(7)より

n=1 a n =

となり発散する.

 

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最終更新日: 2023年7月27日

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