定積分の問題

■問題

次の問題を積分せよ(定積分).

1 2 1 1 x 2 dx  

■答

π 6 3 8

■ヒント

定積分の基本式より

a b f( x )dx= [ F( x ) ] a b =F( b )F( a )  

置換積分法より

a b f( x )dx= α β f( g( t ) ) g ( t )dt  

を用いる.

この積分の計算は、図の赤色の面積を求める計算である.

■解説

x=sinθ とおいて置換積分する場合

あらかじめ, 1 x 2 dx  を求めておく.

x=sinθ   ( π 2 <θ< π 2 )  とおいて置換積分をする.(置換積分による解法を参照)

dx dθ =cosθ   ∴ dx=cosθd θ  

sinθ を微分すると cosθ になるのは, 微分 sin x  を参照)

1 x 2 dx = 1 sin 2 θ cosθdθ  

ここで,三角関数(三角比)の相互関係 1 番目の式  sin 2 θ + cos 2 θ = 1 から

1 sin 2 θ = cos 2 θ  

π 2 <θ< π 2 より, cosθ0  →  cos 2 θ =cosθ である.

よって

= cos 2 θ dθ  

ここで,半角の公式より( cos 2 θ= cos 2 2θ 2 なので,半角の公式の α 2θ を代入する)

= 1+cos2θ 2 dθ  

= 1 2 θ+ 1 4 sin2θ+C  

三角関数の積分を参照)
(これが 1 x 2 の原始関数である)

次に, 1 2 1 1 x 2 dx を求める.

はじめに x=sinθ と置換しているので

x= 1 2  のとき  θ= π 6 , x=1  のとき  θ= π 2

よって

1 2 1 1 x 2 dx= π 6 π 2 1+cos2θ 2 dθ = [ 1 2 θ+ 1 4 sin2θ ] π 6 π 2  

置換積分法を参照)

となる.

= [ 1 2 θ+ 1 4 sin2θ ] π 6 π 2  

= 1 2 π 2 + 1 4 sin( 2 π 2 ) { 1 2 π 6 + 1 4 sin( 2 π 6 ) }  

= π 4 + 1 4 sinπ( π 12 + 1 4 sin π 3 )   

= π 4 + 1 4 0 π 12 1 4 3 2  

= π 6 3 8

上記置換積分の変数変換の考えを幾何学的に表したのが下図である.

■解説

x=cosϕ とおいて置換積分する場合

x=cosϕ   0ϕπ とおく.

dx dϕ =sinϕ より, dx=sinϕdϕ

x: 1 2 1 のとき, ϕ: π 3 0

よって

1 2 1 1 x 2 dx = π 3 0 1 cos 2 ϕ sinϕ dϕ

sin 2 ϕ + cos 2 ϕ = 1 の関係を用いると

= π 3 0 sin 2 ϕ sinϕdϕ

a b f ( x ) d x = b a f ( x ) d x  ここを参照

0ϕπ より sinϕ0 .よって, sin 2 ϕ =sinϕ

したがって

= 0 π 3 sinϕsinϕdϕ

= 0 π 3 sin 2 ϕdϕ

半角の公式を用いると

= 0 π 3 1 2 1cos2ϕ dϕ

= 1 2 ϕ 1 2 sin2ϕ 0 π 3

= 1 2 π 3 1 2 sin 2π 3 0 1 2 sin0

= 1 2 π 3 1 2 3 2

= π 6 3 8

上記置換積分の変数変換の考えを幾何学的に表したのが下図である.

●参考

求める面積は扇形OAB の面積から三角形OBC の面積を引いたものである.

扇形OAB の面積 =π 1 2 π 3 2π = π 6

三角形OBC の面積 = 1 2 1 2 sin π 3 = 1 4 3 2 = 3 8

したがって

1 2 1 1 x 2 dx = π 6 3 8

 

ホーム>>カテゴリー分類>>積分>>積分の問題>>定積分の問題 >> 1 2 1 1 x 2 dx

学生スタッフ作成
最終更新日: 2024年7月31日