問題を解くのに必要な知識を確認するにはこのグラフ図を利用してください.

ベクトルに関する問題

■問題

三角形 ABCABCの各頂点 AABBCC と各対辺の中点のを結ぶ3つの線分(中線)は1点で交わることを示せ.

■ヒント

線分 BCBCの中点を AAACACの中点を BBABABの中点を CC とすると, 3つの中線は 線分 AAAA , 線分 BBBB , 線分 CCCC である. 線分 AAAA と 線分 BBBB の交点を 点 PP , 線分 AAAA と 線分 CCCC の交点を 点 QQ , 線分 BBBB と 線分 CCCC の交点を 点 RR とする. 証明は,点 PP ,点 QQ ,点 RR が一致することを示せばよい.

■答

三角形 ABCABC の角頂点 AABBCC位置ベクトルaabbcc とし.位置ベクトルの始点を点 OO とする.

●点 PP を位置ベクトル aabbcc で表す

PP は中線 AAAA 上にあることより

OP=OA+APOP=OA+AP

=OA+sAA=OA+sAAss は定数)

=OA+s(AO+OA)=OA+s(AO+OA)

=OA+s(OA+OA)=OA+s(OA+OA)

AAは 線分 BCBC の中点,すなわち, 線分 BCBC1:11:1内分する点であるので

OA=12(b+c)OA=12(b+c)

となる

=a+s{a+12(b+c)}=a+s{a+12(b+c)}

=(1s)a+12sb+12sc=(1s)a+12sb+12sc ・・・・・・(1)

PP は中線 BBBB 上でもあることより

OP=OB+BPOP=OB+BP

=OB+tBB=OB+tBBtt は定数)

=OA+t(BO+OB)=OA+t(BO+OB)

=OB+t(OB+OB)=OB+t(OB+OB)

BBは 線分 ACAC の中点,すなわち, 線分 ACAC1:11:1内分する点であるので

OB=12(a+c)OB=12(a+c)

となる

=b+s{b+12(a+c)}=b+s{b+12(a+c)}

=(1s)a+12sb+12sc=(1s)a+12sb+12sc ・・・・・・(2)

(1),(2)より

{1s=12t(3)12s=1t(4)12s=12t(5)⎪ ⎪ ⎪⎪ ⎪ ⎪1s=12t(3)12s=1t(4)12s=12t(5)

となる連立方程式が得られる.

(5)より

s=ts=t ・・・・・・(6)

(6)を(3)に代入する.

1t=12t1t=12t

32t=132t=1

t=23t=23 ・・・・・・(7)

(6)を(4)に代入する.

1s=12s1s=12s

32s=132s=1

s=23s=23 ・・・・・・(8)

(7),(8)は(6)を満たしている.以上より連立方程式の解は

s=t=23s=t=23 ・・・・・・(9)

となる.

(9)を(1)に代入すると

OPOP=(123)a+1223b+1223c=(123)a+1223b+1223c

=13(a+b+c)=13(a+b+c) ・・・・・・(10)

●点 QQ を位置ベクトル aabbcc で表す

OPOP と同様にしてOQOQ位置ベクトル aabbcc を用いて表すと

OQ=13(a+b+c)OQ=13(a+b+c) ・・・・・・(11)

となる.

●点 RR を位置ベクトル aabbcc で表す

OPOP と同様にしてOROR位置ベクトル aabbcc を用いて表すと

OR=13(a+b+c)OR=13(a+b+c) ・・・・・・(12)

となる.

●(10),(11),(12)より

OP=OQ=OROP=OQ=OR

となり,三角形 ABCABCの各頂点 AABBCC と各対辺の中点のを結ぶ3つの線分(中線)は1点で交わる.

この交点のことを重心といい,(9)の s=t=23s=t=23 より

AP=23AAAP=23AABQ=23BBBQ=23BBCR=23CCCR=23CC

よって,重心は中線を 2:1内分する

 

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最終更新日: 2024年12月3日

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