期待値の求め方

期待値とはある試行を行ったとき,その結果として得られる数値の平均値のことである.すなわち,試行によって得られる数値 X  が x 1 , x 2 , x 3 , , x n であり,それぞれの値をとる確率 p 1 , p 2 , p 3 , , p n とすると, X  の期待値は

期待値 = x 1 · p 1 + x 2 · p 2 + x 3 · p 3 + + x n · p n

となる.

■事例による説明

数字1のカードが1枚,数字2のカードが2枚,数字3のカードが3枚,数字4のカードが4枚,合計10枚のカードがあります.10枚のカードの中から1枚カードを引いて,出た数値の100倍の金額をもらえるとします.すなわち,3のカードがでれば300円もらえるとします.10枚のカードの中から1枚カードを引いた時,もらえる金額の期待値を求めなさい.

まず,それぞれの数字がでる確率を求めます.そのあと,右のような確率分布表を作成して期待値を計算する.

期待値

= 100 · 1 10 + 200 · 2 10 + 300 · 3 10 + 400 · 4 10

= 10 + 40 + 90 + 160

= 300

期待値は300円になります.

また,次のように考えることもできる.

カードの引き方が同様に確からしいとすると,10回カードを引くとすべてのカードを1回ずつ引くことになる.すると,
   1のカードを引いて100円もらえるのが1回
   2のカードを引いて200円もらえるのが2回
   3のカードを引いて300円もらえるのが3回
   4のカードを引いて400円もらえるのが4回
となる.1回引いてもらえる金額の平均は

( 100 × 1 + 200 × 2 + 300 × 3 + 400 × 4 ) ÷ 10 = 300

となり,期待値300円が求まる.

しかし,期待値の計算では前者の方を使うことにする.

 

期待値計算表
カードの数値
1
2
3
4
合計
そのカードを引く確率  p
1 10
2 10
3 10
4 10
1
もらえる金額  X (円)
100
200
300
400
-
X × p
10
40
90
160
300

期待値計算表の中から X  と p を抜き出した表を確率分布表といいます.

確率分布表
金額  X (円)
100
200
300
400
確率  p
1 10
2 10
3 10
4 10

X  のことを確率変数と呼びます.

 

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最終更新日: 2025年4月22日