誤差の分散と残差平方和の比率の確率分布
は残差平方和,誤差
の分散
とすると,
は自由度
の
分布に従う.
(備考:このページでは残差平方和SSEを数式の見やすさの観点からと表現する)
■証明
誤差
を成分とするベクトル
を
・・・・・・(1)
とする.
【誤差の前提条件】
(誤差は観測できない場合が多い.そのようなとき,回帰分析では以下のような仮定をすることがよくある.)
誤差はランダムに生じ、平均
の正規分布に従うと仮定する.式で表現すると以下のようになる.
-
:誤差は正規分布に従い,その平均は
(
),
その分散は
(
),である.
-
のとき,
と
は互いに独立である(独立ならば無相関であるから,
のとき共分散
である(ここを参照)).
上記(i),(ii)を一つの式で表すと
・・・・・・(2)
となる.
・・・・・・(3)
とおくと
・・・・・・(4)
となる.
線形重回帰分析における残差平方和の期待値の(29)は
・・・・・・(5)
の関係があることを示している.(5)の両辺を
で割ると
・・・・・・(6)
(6)に(3)を代入する.
・・・・・・(7)
は実対称行列であるので,適当な直交行列
により対角化可能であるので
・・・・・・(8)
と対角化することができる.
一方,
は
冪等
行列であるので,固有値
は
か
である.さらに,
より,固有値が
である固有値の数は
個である.
したがって,(8)は
・・・・・・(9)
のように書き換えられる.
・・・・・・(10)
とおくと,(7)は
・・・・・・(11)
と式変形できる.
一方,(10)より
・・・・・・(12)
が直交行列より,
である.よって
・・・・・・(13)
でもある.
(∵(13))
(∵確率ベクトルの期待値の性質)
(∵(4)より
) ・・・・・・(14)
(分散共分散行列を参照)
(∵確率ベクトルの期待値の性質)
(∵(4)より
.
)
・・・・・・(15)
(12)より
は
(直交行列
の転置(=逆行列))で
を一次変換しているので,
は正規性がある(多変量正規分布を参照).
(14)より
の平均ベクトルは
,(15)より分散共分散行列は
となり,
となる.よって,
は標準正規分布に従い,互いに独立である.したがって,(11)より
は自由度
の
分布に従う.すなわち
は自由度
の
分布に従う.
ことが導かれる.
ホーム>>カテゴリー分類>>>>確率統計>>誤差の分散と残差平方和の比率の確率分布
最終更2026年7月22日