グラフを平行移動した関数

関数 $y = f (x)$ $y = f (x)$ のグラフを $x$ $x$ 軸方向に $a$ $a$ ， $y$ $y$ 軸方向に $b$ $b$ 平行移動（移動距離は軸の正の方向を正とする）したグラフを表す関数は

$y - b = f (x - a)$ $y - b = f (x - a)$ 　･･････(1)

となる．

ポイント： $x$ $x$ 軸方向に $a$ $a$ ， $y$ $y$ 軸方向に $b$ $b$ 平行移動した関数とは元の関数の $x$ $x$ を $x - a$ $x - a$ に， $y$ $y$ を $y - b$ $y - b$ に書き換えたものになる．

■式の導出

平行移動の考え方を具体的に説明する．

まず

$y = x$ $y = x$ 　･･････(2)

の直線のグラフについて考える．

● $x$ $x$ 軸方向に平行移動したグラフを表す関数

例えば， $y = x$ $y = x$ のグラフを $x$ $x$ 軸方向に4平行移動したグラフを表す関数を求める．

$y = x$ $y = x$ 上の点 $P$ $P$ を $x$ $x$ 軸方向に4平行移動したものを点 $Q$ $Q$ とし，点 $P$ $P$ ， $Q$ $Q$ の座標をそれぞれ $(r, s)$ $(r, s)$ ， $(x, y)$ $(x, y)$ とする．点 $Q$ $Q$ の $x$ $x$ 座標の値は点 $P$ $P$ の $x$ $x$ 座標の値 $r$ $r$ に4を加えたものとなり，点 $Q$ $Q$ の $y$ $y$ 座標の値は点 $P$ $P$ の $y$ $y$ 座標の値 $s$ $s$ のままである．すなわち

${\begin{cases} x = r + 4 \\ y = s \end{cases} \to$ ${\begin{cases} x = r + 4 \\ y = s \end{cases} \to$ $(x, y) = (r + 4, s)$ $(x, y) = (r + 4, s)$ 　･･････(3)

の関係がある．これは点 $Q$ $Q$ を点 $P$ $P$ の座標の値を用いて表しているが，逆に点 $P$ $P$ の座標を，点 $Q$ $Q$ の座標の値 $x$ $x$ ， $y$ $y$ を使って表すと

${\begin{cases} r = x - 4 \\ s = y \end{cases} \to$ ${\begin{cases} r = x - 4 \\ s = y \end{cases} \to$ $(r, s) = (x - 4, y)$ $(r, s) = (x - 4, y)$ 　･･････(4)

となる．点 $P$ $P$ は $y = x$ $y = x$ 上の点であるので

$r = s$ $r = s$ 　･･････(5)

の関係がある．(5)の $r$ $r$ と $s$ $s$ に(4)の $r = x - 4$ $r = x - 4$ ， $s = y$ $s = y$ の関係を代入すると

$y = (x - 4)$ $y = (x - 4)$ 　･･････(6)

となる．(6)は $x$ $x$ と $y$ $y$ の関係を表している．すなわち，この(6)が(2)の $y = x$ $y = x$ のグラフを $x$ $x$ 軸方向に4平行移動したグラフを表す関数である．

ポイント： $x$ $x$ 軸方向に4平行移動した関数とは元の関数の $x$ $x$ を $x - 4$ $x - 4$ に書き換えたものになる．

● $y$ $y$ 軸方向に平行移動したグラフを表す関数

例えば， $y = x$ $y = x$ のグラフを $y$ $y$ 軸方向に4平行移動したグラフを表す関数を求める．

$y = x$ $y = x$ 上の点 $P$ $P$ を $y$ $y$ 軸方向に4平行移動したものを点 $Q$ $Q$ とし，点 $P$ $P$ ， $Q$ $Q$ の座標をそれぞれ $(r, s)$ $(r, s)$ ， $(x, y)$ $(x, y)$ とする．点 $Q$ $Q$ の $x$ $x$ 座標の値は点 $P$ $P$ の $x$ $x$ 座標の値 $r$ $r$ のままであり，点 $Q$ $Q$ の $y$ $y$ 座標の値は点 $P$ $P$ の $y$ $y$ 座標の値 $s$ $s$ に4を加えたものとなる．すなわち

${\begin{cases} x = r \\ y = s + 4 \end{cases} \to (x, y) = (r, s + 4)$ ${\begin{cases} x = r \\ y = s + 4 \end{cases} \to (x, y) = (r, s + 4)$ 　･･････(7)

${\begin{cases} r = x \\ s = y - 4 \end{cases} \to (r, s) = (x, y - 4)$ ${\begin{cases} r = x \\ s = y - 4 \end{cases} \to (r, s) = (x, y - 4)$ 　･･････(8)

となる．点 $P$ $P$ は $y = x$ $y = x$ 上の点であるので

$r = s$ $r = s$ 　･･････(5)

の関係がある．(5)の $r$ $r$ と $s$ $s$ に(8)の $r = x$ $r = x$ ， $s = x - 4$ $s = x - 4$ の関係を代入すると

$(y - 4) = x$ $(y - 4) = x$ 　･･････(9)

となる．(9)は $x$ $x$ と $y$ $y$ の関係を表している．すなわち，この(9)が(2)の $y = x$ $y = x$ のグラフを $y$ $y$ 軸方向に4平行移動したグラフを表す関数である．

ポイント： $y$ $y$ 軸方向に4平行移動した関数とは元の関数の $y$ $y$ を $y - 4$ $y - 4$ に書き換えたものになる．

以上の基本的な考え方を基にして

● $x$ $x$ 軸方向と $y$ $y$ 軸方向の平行移動を組み合わせたグラフを表す関数

$y = f (x)$ $y = f (x)$ のグラフを $x$ $x$ 軸方向に $a$ $a$ ， $y$ $y$ 軸方向に $b$ $b$ 平行移動したグラフを表す関数を求める．

$y = f (x)$ $y = f (x)$ 上の点 $P$ $P$ を $x$ $x$ 軸方向に $a$ $a$ ， $y$ $y$ 軸方向に $b$ $b$ 平行移動したものを点 $Q$ $Q$ とし，点 $P$ $P$ ， $Q$ $Q$ の座標をそれぞれ $(r, s)$ $(r, s)$ ， $(x, y)$ $(x, y)$ とする．点 $Q$ $Q$ の $x$ $x$ 座標の値は点 $P$ $P$ の $x$ $x$ 座標の値 $r$ $r$ に $a$ $a$ を加えたものとなり，点 $Q$ $Q$ の $y$ $y$ 座標の値は点 $P$ $P$ の $y$ $y$ 座標の値 $s$ $s$ に $b$ $b$ を加えたものとなる．すなわち

${\begin{cases} x = r + a \\ y = s + b \end{cases} \to (x, y) = (r + a, s + b)$ ${\begin{cases} x = r + a \\ y = s + b \end{cases} \to (x, y) = (r + a, s + b)$ 　･･････(10)

${\begin{cases} r = x - a \\ s = y - b \end{cases} \to (r, s) = (x - a, y - b)$ ${\begin{cases} r = x - a \\ s = y - b \end{cases} \to (r, s) = (x - a, y - b)$ 　･･････(11)

となる．点 $P$ $P$ は $y = f (x)$ $y = f (x)$ 上の点であるので

$s = f (r)$ $s = f (r)$ 　･･････(12)

の関係がある．この(12)の $r$ $r$ と $s$ $s$ に(11)の $r = x - a$ $r = x - a$ ， $s = x - b$ $s = x - b$ の関係を代入すると

$y - b = f (x - a)$ $y - b = f (x - a)$ 　･･････(1)

となる．(1)は $x$ $x$ と $y$ $y$ の関係を表している．すなわち，この(1)が $y = f (x)$ $y = f (x)$ のグラフを $x$ $x$ 軸方向に $a$ $a$ ， $y$ $y$ 軸方向に $b$ $b$ 平行移動したグラフを表す関数である．

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最終更新日： 2023年10月31日

グラフを平行移動した関数

■式の導出

●xx<math> <mi>x</mi></math> 軸方向に平行移動したグラフを表す関数

●yy<math> <mi>y</mi></math> 軸方向に平行移動したグラフを表す関数

●xx<math> <mi>x</mi></math> 軸方向とyy<math> <mi>y</mi></math> 軸方向の平行移動を組み合わせたグラフを表す関数

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● $x$ $x$ 軸方向に平行移動したグラフを表す関数

● $y$ $y$ 軸方向に平行移動したグラフを表す関数

● $x$ $x$ 軸方向と $y$ $y$ 軸方向の平行移動を組み合わせたグラフを表す関数