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応用分野: 積分 1/(x^2+3x+2)積分の計算手順積分 1/sinx 積分 1/(cosx)^3積分 1/cosx
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部分分数に分解する手順

■部分分数分解の主なタイプ

●タイプ1

cx+d ( x+a )( x+b ) = A x+a + B x+b    A B を求める方法

●タイプ2

bx+c ( x+a ) 2 = A ( x+a ) 2 + B x+a    A B を求める方法

●タイプ3

c x 2 + d x + e ( x + a ) 2 ( x + b ) = A ( x + a ) 2 + B x + a + C x + b    A B C を求める方法

●タイプ4

d x 2 +ex+f x+a x 2 +bx+c = A x+a + Bx+C x 2 +bx+c    A B C を求める方法


■タイプ1

cx+d ( x+a )( x+b ) = A x+a + B x+b

の形に部分分数に分解する.

A x+a + B x+b = A( x+b )+B( x+a ) ( x+a )( x+b )

= ( A+B )x+Ab+Ba ( x+a )( x+b )

より

{ A+B=c Ab+Ba=d

の関係がある.

A B はこの連立方程式を解くことによって求まる.      A B を求める他の方法

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■タイプ2

bx+c ( x+a ) 2 = A ( x+a ) 2 + B x+a

の形に部分分数に分解する.

A ( x+a ) 2 + B x+a = A+B( x+a ) ( x+a ) 2

= Bx+A+Ba ( x+a ) 2

より

{ B=b A+Ba=c

の関係がある.

A B はこの連立方程式を解くことによって求まる.      A B を求める他の方法

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■タイプ3

タイプ1とタイプ2の複合タイプ

c x 2 + d x + e ( x + a ) 2 ( x + b ) = A ( x + a ) 2 + B x + a + C x + b

の形に部分分数に分解する.

A ( x + a ) 2 + B x + a + C x + b

= A(x+b)+B(x+a)(x+b)+C (x+a) 2 (x+a) 2 (x+b)

= Ax+Ab+B x 2 +2B(a+b)x+Bab+C x 2 +2Cax+C a 2 (x+a) 2 (x+b)

= (B+C) x 2 + A +2B(a+b)+ 2Ca x+Ab+Bab+C a 2 (x+a) 2 (x+b)

より

{ B+C=c A+2B( a+b )+2Ca=d Ab+Bab+C a 2 =e

A B C はこの連立方程式を解くことによって求まる.      A B C を求める他の方法

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■タイプ4

d x 2 +ex+f x+a x 2 +bx+c = A x+a + Bx+C x 2 +bx+c

の形に部分分数に分解する.

A x+a + Bx+C x 2 +bx+c

= A x 2 +bx+c + Bx+C x+a x+a x 2 +bx+c

= A x 2 +Abx+Ac+B x 2 +Cx+Bax+Ca x+a x 2 +bx+c

= A+B x 2 + Ab+Ba+C x+Ac+Ca x+a x 2 +bx+c

より

A+B=d Ab+Ba+C=e Ac+Ca=f

A B C はこの連立方程式を解くことによって求まる.

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■参考

次に示す分数関数を部分分数に分解する手順を示す.

1 a x 2 +bx+c  ・・・・・・(1)

a x 2 +bx+c=0  の解を α β とする(実数解があることを前提としている).すると(1)は

1 a x 2 +bx+c = 1 a( xα )( xβ )  ・・・・・・(2)

となる(解と係数の関係を参照)

部分分数に分解するために,(2)を基にして定数 A B を用い(3)のような式を考える.

1 a ( A xα + B xβ )  ・・・・・・(3)

(3)を通分すると,

1 a ( A x α + B x β ) = A ( x β ) + B ( x α ) a ( x α ) ( x β ) = ( A + B ) x ( B α + A β ) a ( x α ) ( x β )  ・・・・・・(4)

となる.(2)と(4)が等しくなるためには,

{ A+B=0 ( Bα+Aβ )=1

の関係が成り立てばよい.これより

B=A

Aα+Aβ =1

A αβ =1

A= 1 αβ

B= 1 αβ

以上より(1)を部分分数に分解すると

1 a x 2 + b x + c = 1 a ( α β ) ( 1 x α 1 x β )

となる.

 

●例1

3 ( x1 )( x+2 ) を部分分数に分解する.

3 ( x1 )( x+2 ) = A x1 + B x+2

とおく.

A x1 + B x+2 = A( x+2 )+B( x1 ) ( x1 )( x+2 )

= ( A+B )x+2AB ( x1 )( x+2 )

よって

{ A+B=0 2AB=3

の関係が成り立てばよい.

B=A

2A( A )=3

3A=3

A=1

B=1

以上より

3 ( x1 )( x+2 ) = 1 x1 1 x+2

 

●例2

3x3 ( x+1 )( x2 ) を部分分数に分解する.

3x3 ( x+1 )( x2 ) = A x+1 + B x2

とおく.

A x+1 + B x2 = A( x2 )+B( x+1 ) ( x+1 )( x2 )

= ( A+B )x2A+B ( x+1 )( x2 )

よって

{ A+B=3 2A+B=3

の関係が成り立てばよい.

B=3A

2A+( 3A )=3

3A=6

A=2

B=1

以上より

3x3 ( x+1 )( x2 ) = 2 x+1 + 1 x2

 

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最終更新日: 2023年10月27日

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