問題を解くのに必要な知識を確認するにはこのグラフ図を利用してください.

基本的な行列の問題

■問題

以下の行列の成分は実数とする.

A = a b c d B = e f g h とし, X = A B Y = B A X 2 = O とする.

(1) X Y はいずれも逆行列をもたないことを示せ.

(2) Y 2 = O であることを示せ.

■ヒント

逆行列をもたないことを示すには,行列式の値がゼロであることを示せばよい(参考).

A B = A B の関係式も使える.

■解答

(1) 

X 2 = O より

X 2 = O

XX =0

X X =0

X 2 =0

よって

X =0  ・・・・・・(i)

また, Y=BA

Y = BA = B A = A B = AB = X =0

すなわち

Y =0  ・・・・・・(ii)

(i),(ii)から, X Y はいずれも逆行列をもたない.

(2)

X = AB = a b c d e f g h = ae + bg af + b h c e + dg c f + dh

Y = BA = e f g h a b c d = ae + c f be + df ag + c h b g + dh

2つの行列X,Yにケーリー・ハミルトンの定理を利用して,(1)の(i),(ii)を用いると,次の等式が成り立つ.

X 2 ae+bg+cf+dh X + ae+bg cf+dh af+bh ce+dg E=O

X 2 ae+bg+cf+dh X+ X E=O

X 2 ae+bg+cf+dh X=O  ・・・・・・(iii)

Y 2 ae+cf+bg+dh Y + ae+cf bg+dh be+df ag+ch E=O

Y 2 ae+cf+bg+dh Y+ Y E=O

Y 2 ae+cf+bg+dh Y=O  ・・・・・・(iv)

X 2 =O と(iii)より

ae+bg+cf+dh X=O

がえられる.この関係式より

ae+bg+cf+dh=0 あるいは X=O

となる.

ae+bg+cf+dh=0 の場合,(iv)より

Y 2 =O

X=O の場合

X= ae+bg af+bh ce+dg cf+dh = 0 0 0 0

となり

ae+bg+cf+dh=0

が成り立つ.したがって

Y 2 =O

となる.

以上より

Y 2 =O

となる.

 

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作成:学生スタッフ

最終更新日: 2022年9月6日

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