問題を解くのに必要な知識を確認するにはこのグラフ図を利用してください.

陰関数の2次導関数

■問題

次の関係で定義される陰関数 y=ϕ(x)y=ϕ(x) について d2ydx2 を求めよ.

x2a2+y2b2=1

■答

b4a2y3

■ヒント

まず,x2a2+y2b2=1より定義したf(x,y)=f(x,ϕ(x))=0 となる2変数関数 f(x,y)x で微分する.その結果からdydx を求める.

■解説

別解

与式を変形すると

x2a2+y2b21=0

b2x2+a2y2a2b2=0

となる.

f(x,y)=f(x,ϕ(x))=b2x2+a2y2a2b2

とおく.f(x,y)x=xy=ϕ(x) とする合成関数と考えて,これをx で微分すると

ddxf(x,y)=fxdxdx+fydydx

合成関数の偏導関数の公式を用いた.

=fx+fydydx=0

よって

fydydx=fx

dydx=fxfy ・・・・・・(1)

ここで

fx=xf(x,y)

=x(b2x2+a2y2a2b2)

偏導関数の定義より, y を定数とみなして x で微分する.

=2b2x ・・・・・・(2)

fy=yf(x,y)

=y(b2x2+a2y2a2b2)

偏導関数の定義より, x を定数とみなして yで微分する.

=2a2y ・・・・・・(3)

(1)に(2),(3)を代入すると

dydx=2b2x2a2y=b2xa2y ・・・・・・(4)

となる.

g(x,y)=g(x,ϕ(x))=b2xa2y ・・・・・・(5)

とおく.

d2ydx2=ddx(dydx)

=ddx{g(x,y)}

g(x,y)x=xy=ϕ(x) とする合成関数と考えて,これをx で微分する.このとき合成関数の偏導関数の公式を用いる.

=gx+gydydx ・・・・・・(6)

ここで

gx=xg(x,y)

(5)を代入する.

=x(b2xa2y)

偏導関数の定義より, y を定数とみなして x で微分する.

=b2a2y ・・・・・・(7)

gy=yg(x,y)

=y(b2xa2y)

=y(b2xa2y1)

偏導関数の定義より, x を定数とみなして y で微分する.

=b2xa2y2

=b2xa2y2 ・・・・・・(8)

(6)に(7),(8),(4)を代入する.

d2ydx2=gx+gydydx

=b2a2y+b2xa2y2·(b2xa2y)

=b2a2yb4x2a4y3

=(b2a2y+b4x2a4y3)

=b2(a2y2)+b4x2a4y3

=a2b2y2+b4x2a4y3

=b2(a2y2+b2x2)a4y3

=b2(b2x2+a2y2)a4y3 ・・・・・・(9)

x2a2+y2b2=1を更に変形すると

b2x2+a2y2=a2b2 ・・・・・・(10)

となる.(9)に(10)を代入する.

d2ydx2=b2·a2b2a4y3

=a2b4a4y3

=b4a2y3

■別解

x2a2+y2b2=1の両辺をxで微分する.

2xa2+2yb2dydx=0 ・・・・・・(11)

(ddxy2 についてはここを参照)

(11)をdydx について解く.

2yb2dydx=2xa2

dydx=b2xa2y ・・・・・・(12)

(11)をx さらにx で微分する.

2a2+2b2dydxdydx+2yb2d2ydx2=0 ・・・・・・(13)

(13)をd2ydx2 について解く.

2yb2d2ydx2=2a22b2(dydx)2

d2ydx2=b2a2y1y(dydx)2 ・・・・・・(14)

(14)に(12)を代入する.

d2ydx2=b2a2y1y(b2xa2y)2

=b2a2yb4x2a4y3

=b4a2y3(y2b2+x2a2) ・・・・・・(15)

(15)にx2a2+y2b2=1を代入する.

=b4a2y3

 

ホーム>>カテゴリー分類>>微分>>偏微分>>問題演習>>陰関数の2次導関数

学生スタッフ作成

2最終更新日: 2023年9月15日

[ページトップ]

金沢工業大学

利用規約

google translate (English version)