2変数関数の極値
■問題
次の関数の極値を求めよ.
f(x,y)=x3+y3−12x−27y
■答
点
(2,3)
で極小値
−70
をとり,点
(−2,−3)
で極大値
70をとる.
■ヒント
2変数関数の極値の定理1を使用する.
与えられた関数を
x,y
でそれぞれ偏微分し,連立方程式
⎧⎪
⎪
⎪⎨⎪
⎪
⎪⎩∂∂xf(x,y)=0∂∂yf(x,y)=0
とし,その解(x,y)=(a,b)を求める.
更に
∂2∂x2f(x,y)=fxx(x,y)
,∂2∂y2f(x,y)=fyy(x,y)
,∂2∂y∂xf(x,y)=fxy(x,y)
をそれぞれ求め
A=fxx(a,b),
D={fxy(a,b)}2−fxx(a,b)⋅fyy(a,b)
を計算して極値を判定する.
■解説
与式を
x
で偏微分(偏導関数の定義より,
y
を定数とみなして
x
で微分)すると
∂∂xf(x,y)
=∂∂x(x3+y3−12x−27y)
=3x2−12
次に
f(x,y)
を
y
で偏微分(偏導関数の定義より,
x
を定数とみなして
y
で微分)すると
∂∂yf(x,y)
=∂∂y(x3+y3−12x−27y)
=3y2−27
両者を連立さる.
{3x2−12=0⋯⋯(1)3y2−27=0⋯⋯(2)
(1)から
3x2−12=0,3x2=12,x2=4,x=±2
次に(2)から
3y2−27=0,3y2=27,y2=9,y=±3
以上から極値をとる候補は
(2,3),(2,−3),(−2,3),(−2,−3)
の4点となる.
次に
∂2∂x2f(x,y)=fxx(x,y)
,∂2∂y2f(x,y)=fyy(x,y)
,∂2∂y∂xf(x,y)=fxy(x,y)
をそれぞれ求める.
fxx(x,y)=∂2∂x2f(x,y)
=∂∂x(∂∂xf(x,y))
=∂∂x(3x2−12)
=6x
fyy(x,y)=∂2∂y2f(x,y)
=∂∂y(∂∂yf(x,y))
=∂∂y(3y2−27)
=6y
fxy(x,y)=∂2∂y∂xf(x,y)
=∂∂y(∂∂xf(x,y))
=∂∂y(3x2−12)
=0
(x,y)=(a,b)におけるA,Dの値は
A=fxx(a,b)=6a
D={fxy(a,b)}2−fxx(a,b)⋅fyy(a,b)=02−6a⋅6b=−36ab
これを元に各点における
A,D
を求める.
●点
(2,3)
においては
A=6⋅2=12
D=−36⋅2⋅3=−216
となり
A>0,D<0
から点
(2,3)
で極小となる.
この点での値は
f(2,3)=23+33−12⋅2−27⋅3=8+27−24−81=−70
●点
(2,−3)
においては
A=6⋅2=12
D=−36⋅2⋅(−3)=216
D>0
となり
(2,−3)
は極値ではない.
●点
(−2,3)
においては
A=6⋅(−2)=−12
D=−36⋅(−2)⋅3=216
D>0
となり
(−2,3)
は極値ではない.
●点
(−2,−3)
においては
A=6⋅(−2)=−12
D=−36⋅(−2)⋅(−3)=−216
となり,
A<0,D<0
から点
(−2,−3)
で極大となる.
この点での値は
f(−2,−3)=(−2)3+(−3)3−12⋅(−2)−27⋅(−3)=−8−27+24+81=70
以上からこの関数は点
(2,3)
で極小値
−70
をとり,点
(−2,−3)
で極大値
70
をとる.
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最終更新日:
2024年5月28日