問題を解くのに必要な知識を確認するにはこのグラフ図を利用してください.

2変数関数の極値

■問題

次の関数の極値を求めよ.

f(x,y)=cosx+cosy+cos(x+y) 0<x<π,0<y<π

■答

(23π,23π) で極小値 32 をとる. 

■ヒント

2変数関数の極値の定理1を使用する.

与えられた関数を x,y でそれぞれ偏微分し,連立方程式

{xf(x,y)=0yf(x,y)=0

とし,その解x,y=a,bを求める.

更に

2x2fx,y=fxxx,y2y2fx,y=fyyx,y2yxfx,y=fxyx,y

をそれぞれ求め

A=fxx(a,b), D={fxy(a,b)}2fxx(a,b)·fyy(a,b)

を計算して極値を判定する.

■解説

与式を x で偏微分(偏導関数の定義より, y を定数とみなして x で微分)すると

xf(x,y) =x(cosx+cosy+cos(x+y)) =sinxsin(x+y)·1 =sinxsin(x+y)

次に f(x,y)y で偏微分(偏導関数の定義より, x を定数とみなして y で微分)すると

yf(x,y) =y(cosx+cosy+cos(x+y)) =sinysin(x+y)·1 =sinysin(x+y)

両者を連立させる.

{sinxsin(x+y)=0(1)sinysin(x+y)=0(2)

(1)から

sinxsin(x+y)=0sin(x+y)=sinx

これを(2)に代入する.

siny(sinx)=0siny+sinx=0siny=sinx

0<x<π0<y<πより

y=xy=πx  (∵sinθ=sinπθ  ここを参照)

y=x の時

この関係を(1)に代入して

sinxsin(x+x)=0sinx+sin2x=0sinx+2sinxcosx=02倍角の公式を使用する),sinx(1+2cosx)=0

0<x<π よりsinx0 ,よって

1+2cosx=0

この方程式を解く.

1+2cosx=02cosx=1cosx=12

0<x<π の条件から,これを満たす x

x=23π ここを参照

y=x の関係から,極値をとる候補は (23π,23π) の1点となる.

y=πx の時

この関係を(1)に代入する.

sinxsinx+πx=0sinxsinπ=0sinx=0sinx=0

sinx0 より,y=πx のとき解なし.


次に

2x2fx,y=fxxx,y2y2fx,y=fyyx,y2yxfx,y=fxyx,y

をそれぞれ求める.

fxxx,y=2x2f(x,y) =x(xf(x,y)) =x(sinxsin(x+y))

=cosxcos(x+y)

fxyx,y=2yxf(x,y) =y(xf(x,y)) =y(sinxsin(x+y)) =cos(x+y)

fyyx,y=2y2f(x,y) =y(yf(x,y)) =y(sinysin(x+y))

=cosycos(x+y)

x,y=a,bにおけるADの値は

A=fxx(a,b)=cosacos(a+b)

D={fxy(a,b)}2fxx(a,b)·fyy(a,b)

={cos(a+b)}2(cosacos(a+b))·(cosbcos(a+b))

={cos(a+b)}2{cosa+cos(a+b)}·{cosb+cos(a+b)}

これを元に各点における A,D を求める.

●点 (23π,23π) においては

A=cosxcos(x+y)=cos23πcos(23π+23π)

=cos23πcos43π=(12)(12)=12+12=1

D={cos(23π+23π)}2

{cos23π+cos(23π+23π)}·{cos23π+cos(23π+23π)}

=(cos43π)2(cos23π+cos43π)·(cos23π+cos43π)

={(12)}2(1212)·(1212)

=(12)2(1)·(1)=141=34

以上より, A>0,D<0 から点 (23π,23π) で極小となる.

この点での値は

f(1,1)=cos23π+cos23π+cos(23π+23π)

=cos23π+cos23π+cos43π=121212=32

従って,この関数は点 (23π,23π) で極小値 32 をとる.

 

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学生スタッフ作成

最終更新日: 2023年9月22日

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