行列式の転置における性質
ここでは行列式の性質のひとつである,行列式の転置における性質(不変性)について説明する。
これは,行列式の行と列を入れ替えても行列式の値は変わらないという性質である。
■定理
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a
11
a
12
⋯
a
1n
a
21
a
22
⋯
a
2n
⋮
⋮
⋱
⋮
a
n1
a
n2
⋯
a
nn
|=|
a
11
a
21
⋯
a
n1
a
12
a
22
⋯
a
n2
⋮
⋮
⋱
⋮
a
1n
a
2n
⋯
a
nn
|
第1行と第1列,第2行と第2列,…,第
n
行と第
n
列,と行と列の要素が全て入れ替わる。
この性質から,行で成立する定理は列でも成立することがわかる。
■具体例
この例では,1から25までの数字を横並びにした行列式を用いる。
転置における性質を利用すると,行列式は以下のようになる。
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1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
|=|
1
6
11
16
21
2
7
12
17
22
3
8
13
18
23
4
9
14
19
24
5
10
15
20
25
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このように,行の左から右へ大きくなっていた要素が,列の上から下へ大きくなるように入れ替わる。
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初版:2008年1月9日,最終更新日:
2008年3月4日
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