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xy 平面上において D を有界な領域とする. D の境界は有限個の区分的に滑らかな閉曲線からなるものとする.この境界を C とし,正の向きを定める.閉領域 D が横線形領域 D :c≦y≦d, ξ(y)≦x≦ζ(y) と表せ, 2変数関数 g(x,y) が閉領域 D で1回微分可能であるならば次式が成り立つ.
∬Dgx(x,y)dxdy=∫Cg(x,y)dy ・・・・・・(1)
領域を図示すると図のようになる.これを累次積分(重積分)と考えて式を変形すると
∬Dgx(x,y)dxdy=∫dc(∫ζ(y)ξ(y)gx(x,y)dx)dy
y を固定して fx(x,y) を x で積分する
=∫dc([g(x,y)]ζ(y)ξ(y))dy
y は固定しているので x のみが変化する
=∫dc{g(ζ(y),y)−g(ξ(y),y)}dy
定積分の基本式を使用して2つの積分に分ける
=∫dcg(ζ(y),y)dy−∫dcg(ξ(y),y)dy ・・・・・・(2)
次に,線積分と考えて式を変形する.
境界 C において点A→点B→点C→点D→点E→点F→点G→点H→点A と一周する経路を正の向きとする.
点G
から点
B
に至る経路を
C5
点B
から点
C
に至る経路を
C6
点C
から
点F
に至る経路を
C7
点F
から点
G
に至る経路を
C8
とすると,境界 C に沿った線積分は次のように表せる.
∫Cg(x,y)dy=∫C5g(x,y)dy+∫C6g(x,y)dy+∫C7g(x,y)dy+∫C8g(x,y)dy ・・・・・・(3)
右辺の各項について考える.
y=t とおいて, C5 を変数 t を用いて表すと
{(ξ(t),t);t∈[c,d]} ・・・・・・(4)
となる.
この曲線上において
t
を
d
から
c
に変化させると,点ζ
は経路
C5に沿って
G
から
B
に移動することから,線積分
∫C1g(x,y)dy
を積分変数がtの
定積分に置換すると
∫C5g(x,y)dy=∫cdg(ξ(t),t)dydtdt ・・・・・・(5)
ここで, y=t であるから
dydt=1 ・・・・・・(6)
となる.(6)を(5)に代入すると
∫C5g(x,y)dy=∫cdg(ξ(t),t)dt=−∫dcg(ξ(t),t)dt ・・・・・・(7)
経路 C6 において, y は常に y=c である.
よって, x=t とおいて, C6 を変数 t および定数 c を用いて表すと
{(t,c);t∈[ξ(c),ζ(c)]} ・・・・・・(8)
∫C6g(x,y)dy=∫ζ(y)ξ(y)g(t,c)dydtdt ・・・・・・(9)
ここで, y=c であるから
dydt=0 ・・・・・・(10)
となる.よって
∫C2g(x,y)dy=∫ζ(y)ξ(y)g(t,b)dydtdt=0 ・・・・・・(11)
[1]と同様に y=t とおいて C7 を変数 t を用いて表すと
{(ζ(t),t);t∈[c,d]} ・・・・・・(12)
となる.
この曲線上において
t
を
c
から
d
に変化させると,点(t,ζ(t))
は経路
C3に沿って
C
から
D
に移動することから,
線積分
∫C7g(x,y)dy
を積分変数がtの定積分に置換すると
∫C7g(x,y)dy=∫dcg(ζ(t),t)dydtdt ・・・・・・(13)
ここで, y=t であるから
dydt=1 ・・・・・・(14)
となる.(14)を(13)に代入すると
∫C7g(x,y)dy=∫dcg(ζ(t),t)dt ・・・・・・(15)
となる.
経路 C8 において, y は常に y=d である.
よって,[2]と同様に
dydt=0 ・・・・・・(16)
となる.よって,
∫C8g(x,y)dy=0 ・・・・・・(17)
[1],[2],[3],[4]より
∫Cf(x,y)dx
=∫C5g(x,y)dy+∫C6g(x,y)dy+∫C7g(x,y)dy+∫C8g(x,y)dy
=−∫dcg(ξ(t),t)dt+0+∫dcg(ζ(t),t)dt+0
=∫dcg(ζ(t),t)dt−∫dcg(ξ(t),t)dt ・・・・・・(18)
累次積分と線積分による解をまとめると
累次積分による解((2)を書き直している)
∬Dgx(x,y)dxdy=∫dcg(ζ(y),y)dy−∫dcg(ξ(y),y)dy ・・・・・・(19)
線積分による解((18)を書き直している)
∫Cg(x,y)dy=∫dcg(ζ(t),t)dt−∫dcg(ξ(t),t)dt ・・・・・・(20)
(20)に(19)を代入して
∫Cg(x,y)dy=∬Dgx(x,y)dxdy
∬Dgx(x,y)dxdy=∫Cg(x,y)dy ・・・・・・(21)
が得られる.
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学生スタッフ作成
最終更新日:
2024年10月7日