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問題を解くのに必要な知識を確認するにはこのグラフ図を利用してください.

tan(x/2)=t とおく置換積分の問題(1)

■問題

次の問題を積分せよ(不定積分).

1cosxdxtanx2=t と置換して解きなさい.

■答

12log(1+sinx1sinx)

■ヒント

手順1:
半角の公式または 2倍角の公式を用いて cosxt の式に変換する.

手順2:
tanx2=t を微分し, dxdt の関係式を求める.

手順3:
求まった2つの式を問題に代入し,答を求める.

■解説

まず cosx=1t21+t2 を導く.

cosx =cos2·x2 =cos2x2sin2x2

( この計算過程については,2倍角の公式を参照.また,半角の公式を用いて導く方法は, tanx2=t とおく置換積分を参照)

=cos2x2(1sin2x2cos2x2)

=11+tan2x2·(1tan2x2)

( 詳細は,三角関数(三角比)の相互関係を参照 )

=1t21+t2

tanx2t に置き換える)

次に, dx=21+t2dt を導く.

dtdx=(tanx2) =(sinx2cosx2)

( 詳細は,三角関数(三角比)の相互関係を参照 )

=1cos2x2·(x2)

( 微分計算の詳細については,導関数の基本式 I を参照 )

=1cos2x2·12

=12(1+tan2x2)

=12(1+t2)

よって, dtdx=1+t22 より,

dt=1+t22dx

つまり,

dx=21+t2dt

最後に,これらの式を問題に代入し,答を導く.

1cosxdx =1+t21t2·21+t2dt

=21t2dt

=2·12·(11+t+11t)dt

11t2=12(11+t+11t) については,部分分数に分解する手順を参照 )

=(11+t+11t)dt

=log|1+t|+(1t)log|1t|+C

=log|1+t|log|1t|+C

=log|1+t1t|+C

=log|1+tanx21tanx2|+C

( 置換した tanx2=t を元に戻す )

また,この解を変形すると以下のような式が得られる.

log|1+tanx21tanx2| =log|1+sinx2cosx21sinx2cosx2|

( 詳細は,三角関数(三角比)の相互関係を参照 )

=log|cosx2+sinx2cosx2sinx2|

( 分母と分子に,それぞれ cosx2 をかける )

=log|(cosx2+sinx2cosx2sinx2)·(cosx2+sinx2cosx2+sinx2)|

cosx2+sinx2cosx2+sinx2=1 である )

=log|cos2x2+2sinx2cosx2+sin2x2cos2x2sin2x2|

2倍角の公式より, 2sinx2cosx2=sinxcos2x2sin2x2=cosx

=log|1+sinx||cosx|

log|1+sinx||cosx|log|1+sinxcosx| は同じものである.また, cos2x+sin2x=1 より, |cosx|=1sin2x

=log|1+sinx||1sin2x|

=log|1+sinx·1+sinx1sinx·1+sinx|

( 分母と分子に共通因数 1+sinx があるので約分する)

=log|1+sinx1sinx|

=log|1+sinx1sinx|12

=12log|1+sinx1sinx|

=12log(1+sinx1sinx)

cosx0 が前提になっているので, 1<sinx<1 となる.よって,真数の値が負になることはないため,絶対値の記号がとれる)

この解は,別の置換方法を用いて導いた場合に得られる解である.詳しくはここを参照.


■確認問題

求まった答え log|1+tanx21tanx2|+C12log(1+sinx1sinx) を微分し,積分前の式 1cosx に戻ることを確認しなさい.


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最終更新日: 2025年3月7日

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