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応用分野: 線形写像

線形写像であるための必要十分条件の証明

■「 f( x )=Axf( x 1 + x 2 ) =f( x 1 ) +f( x 2 ) f( k x 1 )=kf( x 1 ) 」の証明

f( x 1 + x 2 ) =A( x 1 + x 2 )   f ( x ) = A x より)

=A x 1 +A x 2   行列の計算則より)

=f( x 1 )+f( x 2 )   A x = f ( x ) より)

f( k x 1 ) =A( k x 1 )   f ( x ) = A x より)

=kA x 1   ( 行列の計算則より)

=kf( x 1 )   A x = f ( x ) より)

以上より証明できた.

■「 f( x 1 + x 2 )=f( x 1 )+f( x 2 ) f( k x 1 )=kf( x 1 )f( x )=Ax 」の証明

m 次元ベクトル空間である集合 X の要素 x n 次元ベクトル空間である集合 Y の要素 y に対応させる写像 f とする.式で表すと

y=f( x )

となる.

m 次元ベクトル空間の基本ベクトル

e 1 =( 1 0 0 ) e 2 =( 0 1 0 0 ) e m =( 0 0 1 )

とし

f( e 1 )= a 1 =( a 11 a 21 a n1 ) , f( e 2 )= a 2 =( a 12 a 22 a n2 ) , , f( e m )= a m =( a 1m a 2m a nm )

x=( x 1 x 2 x m )

とする.

x =( x 1 x 2 x m )

= x 1 ( 1 0 0 )+ x 2 ( 0 1 0 0 )++ x m ( 0 0 1 )

= x 1 e 1 + x 2 e 2 ++ x m e m

よって

f( x )=f( x 1 e 1 + x 2 e 2 ++ x m e m )

f( x 1 + x 2 ) =f( x 1 )+f( x 2 ) が成り立つことより

=f( x 1 e 1 )+f( x 2 e 2 )++f( x m e m )

f( k x 1 ) =kf( x 1 ) が成り立つことより

= x 1 f( e 1 )+ x 2 f( e 2 )++ x m f( e m )

= x 1 a 1 + x 2 a 2 ++ x m a m

=( a 1 , a 2 ,, a m )( x 1 x 2 x m )     詳細計算はここ

=Ax

すなわち

f( x )=Ax

したがって,線形写像の定義より,2つの条件

f( x 1 + x 2 )=f( x 1 )+f( x 2 ) f( k x 1 )=kf( x 1 )

を満たせば,写像 f は線形写像である.

■備考

線形写像 f 表現行列 A となる.

A=( a 1 , a 2 ,, a n )

=( f( e 1 ),f( e 2 ),,f( e n ) )

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最終更新日: 2023年2月9日

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