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2次曲線の標準化

平面上の2次曲線楕円双曲線放物線)を表す式

,       ······ 

を,適当な平行移動直交変換により標準形に変換することを 2次曲線の標準化 という(各曲線の標準形は2次曲線の分類表に掲載).


■ 標準化の定理

の左辺を , の2次関数

,       ······ 

とおき,この式の係数を成分とする2つの行列

    ······ 

    ······ 

および,それらの行列式

    ······ 

    ······ 

を考える(式,を2次曲線の判別式という).このとき,2次曲線は


TeXに変換設定していない数学記号や,特殊文字が含まれています。今後直していきます。
    ······ 

と表せる.また,行列 , 対称行列であり, の2つの固有値(実数)を , とし, を対角化する直交行列 とする.

    ······ 

ここで, , は固有値 , に対応する規格化された固有ベクトルである.

2次曲線の標準化について,以下のように,

  1. 【定理 1】 有心の場合(判別式
    TeXに変換設定していない数学記号や,特殊文字が含まれています。今後直していきます。
    ):楕円,双曲線
  2. 【定理 2】 無心の場合(判別式
    TeXに変換設定していない数学記号や,特殊文字が含まれています。今後直していきます。
    ):放物線
で分けて考える.

【定理 1】有心の場合の標準化

判別式 のとき の固有値 , でない実数となり,式の2次曲線は有心である.その中心の座標を とすると,座標変換

    ······ 

により,式は原点を中心とした標準形

    ······ 

に変換される.ここで,中心座標は

    ······ 

で得られ, である.

また,判別式 の場合( ),2次曲線は退化する

▶ 定理1の証明

【定理 1】の場合の分類

  • のとき , は同符号であり,
    • が異符号ならば

      ,       ······ 

      とおいて,式楕円の標準形

          ······ 

      で表すことができる. なら横長( 軸上に焦点が存在), なら縦長( 軸上に焦点が存在), なら円となる.
    • が同符号ならば

      ,       ······ 

      とおいて,式

          ······ 

      と表すことができるが,式を満たす点は存在しない(実平面状で図形が描けない).
    • ならば,2次曲線は退化し

      ,       ······ 

      とおいて,式

          ······ 

      と表すことができ,これを満たす点は原点 のみである.
      より,式においては中心点 を表す.

  • のとき , は異符号であり,
    • ならば

      ,       ······ 

      とおいて,式双曲線の標準形


      TeXに変換設定していない数学記号や,特殊文字が含まれています。今後直していきます。
          ······ 

      で表すことができる. が異符号ならば上式右辺が となって横向き( 軸上に焦点が存在),同符号ならば となって縦向き( 軸上に焦点が存在)になる.
    • ならば,2次曲線は退化し,式のようにおいて,式

          ······ 

      となる.したがって,原点で交わる2直線


      TeXに変換設定していない数学記号や,特殊文字が含まれています。今後直していきます。
          ······ 

      となる(双曲線の漸近線に相当).
      より,式においては中心点 を交点とする2直線を表す.

▶ 有心の場合の標準化の例


【定理 2】無心の場合の標準化

判別式 のとき の固有値は , となり,式の2次曲線は無心である.このとき

    ······ 

で得られる点 を用いた座標変換

    ······ 

により,式は標準形

    ······ 

に変換される.ここで

    ······ 

である.判別式 の場合( ),2次曲線は退化する

また, の固有値を , と設定すると,式

    ······ 

となる( が入れ替わり,の項の符号は となる ).

▶ 定理2の証明

【定理 2】の場合の分類

  • のとき( ),式

        ······ 

    と変形し, として, を改めて とおくことにより,放物線の標準形

        ······ 

    で表すことができる.
    ※ 点 は,式の放物線の対称軸を通る点となっている.
  • のとき( ),2次曲線は退化し,式

    (定数)     ······ 

    と変形され, なら2つの平行な直線

        ······ 

    となる( のときは重なった1つの直線 ). なら,この式を満たす点は存在しない(実平面上で図形が描けない).
    ※ 点 は,式の平行な2直線の対称軸に原点から垂線を下したときの交点である.

▶ 無心の場合の標準化の例


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最終更新日:2025年10月4日